次期NY市長候補は?エリック・アダムス氏らが名乗り

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来年のニューヨーク市長選に向け、ブルックリン区長のエリック・アダムス(Eric Adams)氏が、民主党予備選の候補者として名乗りを上げた。18日に行われたZoomのイベントで明らかにした。現在2期目のデブラシオ市長は、任期満了に伴い退任する。

アダムス氏は、ニューヨーク市警察で警部を務めたのち、ニューヨーク州上院議員(2006-2013)を経て、2013年に初のアフリカ系アメリカ人としてブルックリン区長に就任した。警察官時代に、警察による人種プロファイリングや違法行為に異議を唱える擁護団体100 Blacks in Law Enforcement Who Careを設立した。

「立ち上がれ」(Rise Up)と題したキャンペーンビデオで、アダムス氏は「われわれの間にある溝を埋めるため、皆をより安全に、体系的な人種差別に取り組むために警察官となった」と語った。

アダムス氏は、Zoomで「多くのニューヨーカーと同様、私の奮闘は人生の初期から始まった。母親は清掃婦で、家計をやりくりして6人の子供を育てた。学校から帰ってきて、食べ物があるだろうか、ドアに立ち退き通知が貼られていないかを心配していた。それが現実だった」と生い立ちを語った。「ニューヨークは、違いはあれど、苦しみの中で共通の繋がりを見つけ、お互い協力することができる」と述べた。

アダムス氏はこれまで、260万ドルの選挙資金を調達した。セントラル・ブルックリンやクイーンズ南東部など主に黒人の居住地区で、民主党の穏健派をターゲットに活動を展開するとみられている

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アダムス氏のほかには、ベテラン政治家のスコット・ストリンガー(Scott Stringer)会計監査官が名乗りを上げた。ストリンガー氏は、候補者中で最高額の280万ドルの選挙資金を募った。

デブラシオ政権の元スタッフからは、人権弁護士のマヤ・ワイリー(Maya Wiley)氏や、ブルームバーグ前市長時代から職員を務めるキャサリン・ガルシア(Kathryn Garcia)元衛生局長、ローリー・サットン(Loree Sutton)元退役軍人局長が出馬を表明している。

またブルームバーグ前市長時代の職員で、オバマ政権下で行政管理予算局長を務めたショーン・ドノバン(Shaun Donovan)氏や、ウォール街で最も有名なアフリカ系アメリカ人、シティ・グループの元副会長レイ・マグワイア(Ray McGuire)氏、ブルックリンのサンセットパーク地区の再開発計画の中止を訴えたカルロス・メンチャカ(Carlos Menchaca)ニューヨーク市議会議員なども名乗りを上げている。