ボンドカーさながら!?米国大統領を守る最強リムジン「ビースト」の実力とは

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26日、ニューヨークを訪れたバイデン氏は、ロックフェラーセンターで予定された番組収録を終え、午後6時過ぎに『ビースト』の愛称で知られる大統領専用リムジンに乗ってマンハッタンを後にした。

大統領の車列は通常、ビーストと同一の車両1台に数十台の護衛車両を伴う。この日もニューヨーク市警察や消防局の車両を含む30台以上が伴走した。

最強リムジン「ビースト」

現在のモデルは2018年にデビューしたもので、シークレットサービスの依頼に基づきゼネラル・モーターズが製造した。一台あたりの費用は1,580万ドルとされる。詳細は機密とされているが、テロ攻撃から暗殺まであらゆる事態から最高司令官の命を守る世界一安全な車両と考えられている。

NBCによると、見た目はキャデラックXT6セダンに寄せられ、プラットフォームには大型トラックのシボレー・コディアックを改造したものが使用されている。7人乗りで、重量は9トン近くあると推定されている。

さまざまな脅威を想定し、装甲は鋼鉄とアルミ、セラミックを組み合わせて作られ、厚さは20cmに達する。窓は多層構造で、ドアの重さはボーイング757型機のそれに匹敵するという。

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いかなる事態でも走行を保てるように特大ホイールにランフラットタイヤを装着し、高度な密閉性は、生物・化学兵器による攻撃から大統領を保護する。

暗視ビジョンシステムを搭載し、煙幕を出したり、催涙ガスを発射したりすることも可能な上に、オイルを流して追ってくる車をスリップさせてコントロールを奪うこともできる。おまけにドアハンドルには侵入者を感電させる仕掛けもあるという。最後の砦として、軽兵器で武装したシークレットサービスメンバーが命懸けで大統領を守る。

大統領が負傷した場合に備えて広範な医療用品を搭載しており、これには大統領の血液型と同じ血液の入った冷蔵庫が含まれる。

多様な通信技術を装備し、いざというときに最高司令官が核兵器の発射に必要なコードを送信する機能もあるという。

ちなみにバイデン氏は3月28日にファンドレイジングのためにニューヨークを再訪問する予定で、場所はラジオシティ・ミュージックホールが候補に挙がっていると報じられている。バイデン氏一人でも大変だが、今回はオバマ氏、ビル・クリントン氏も参加するといい、マンハッタンのミッドタウン付近の交通は大渋滞に陥ることが予想される。さらに、3月25日からはロウアーマンハッタンでトランプ氏の刑事裁判がスタートする。現役&歴代大統領4人が同時にニューヨークに居合わせるという、異例の事態を迎える可能性がある。