イーロン・マスク、ファウチ博士の訴追呼びかけ、武漢ウイルス研究への資金めぐり

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イーロン・マスク氏は17日、Xのアカウントを更新し、米国の新型コロナウイルス対応を主導したアンソニー・ファウチ博士の責任追及を呼びかけた。

投稿は、同日開催された下院のパンデミック・コロナウイルス特別委員会の公聴会で国立衛生研究所(NIH)のローレンス・タバック副所長がファウチ氏と矛盾する証言を行ったことを受けたもので、マスク氏はこれを報じたニューヨークポスト紙の投稿をシェアしつつ、「起訴/ファウチ」とコメントした。

公聴会は「NIHの科学的研究に対する資金提供と監督に関わるプロセスおよび、NIHとエコヘルス・アライアンスとの関係を調査する」ことを目的としており、タバック氏はその中で、NIHの資金がニューヨークに本拠を置く研究組織エコヘルスを通じて中国の武漢ウイルス研究所の「機能獲得研究」に提供されたことを認めた。

デビー・レスコ議員(共和党 アリゾナ)から「NIHはエコヘルスを通じて武漢ウイルス研究所の機能獲得研究に資金を提供したか?」と問われたタバック氏は「機能獲得研究の定義による」と前置きをしつつ、「一般的な用語について話しているのであれば、そうです、われわれは(資金提供を)した」と回答。「一般的な用語とは、全国の多くの研究所で行われている研究のことで、 規制されていない。 規制されていない理由は、誰にも脅威や危害を及ぼさないからだ」と加えた。

NIH傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)で2022年まで所長を務め、パンデミックで政府の首席医療顧問として新型コロナ対策を率いたファウチ氏は2021年5月の議会公聴会で、「NIHはこれまで、そして現在も武漢ウイルス研究所の機能獲得研究に資金を提供していない」と証言していた。

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また当時NIHの所長だったフランシス・コリンズ氏は同月発表した声明で、NIHとNIAIDは長年、コウモリや他の哺乳類に潜む、人間に感染して病気を引き起こす可能性のあるウイルス研究に助成金を拠出しているとする一方で、「人に対する感染力や致死性を高めるコロナウイルスの機能獲得研究を支援する助成金を承認したことはない」と否定していた。

ワシントンポスト紙によると、NIHがエコヘルスに助成金を与えたのは2014年。コウモリコロナウイルスのリスクに焦点を当てることを目的とし、その一部は武漢ウイルス研究所に送られた。エコヘルスへの助成金は2020年に一時的に停止され、保健福祉省は2023年1月、監査の末、NIHとエコヘルスは資金を適切に監督してこなかったと結論づけた。

ファウチ氏は少なくとも2020年1月の段階で、武漢ウイルス研究所への資金提供および研究内容の詳細を把握していたとされる。

非営利組織U.S.Right to Knowが情報公開法に基づいて入手した資料によると、2020年1月27日に所長室直轄のグレッグ・フォルカー補佐官は、ファウチ氏らに送ったメールで「NIAIDは過去5年間、中国におけるコロナウイルスの研究のために、ピーター(=エコヘルスの代表、ピーター・ダスザック氏)のグループに資金を提供してきた」と説明。コウモリ約1万匹とその他哺乳類のサンプル調査の結果、SARSに関係する52種類のコロナウイルスが発見され、これには武漢から発生した新型コロナウイルスに最も近縁なウイルスも含まれると告げた。メールでは機能獲得研究には言及しなかったが、「ヒト化マウスモデルでSARSのような疾患を引き起こした」と報告していた。

新型コロナウイルスの起源は、最終結論に達していない。FBIやエネルギー省などの政府機関の一部は、研究所発生説には信頼があると評価を示している。