ウクライナ 新自爆型ドローンの試験完了か

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ウクライナの軍需企業ウクロボロンプロムは13日、開発中の攻撃用無人機が、「詳細を伝えることができない段階」まで進んだと発表した。

同社は昨年10月、航続距離1,000km、75kgの弾頭を搭載する自爆型ドローンが完成間近だと明らかにした。12月には、最終試験の段階まで進んでおり、年内に戦闘での試験を実施する計画だとしていた。キーウ・インディペンデントによると、ウクロボロンプロムの広報担当者はこの日、ドローンがいくつかの段階の試験を合格したと報告し、これら試験について「空中における操作や電波・電子戦の影響下での操作」に関することだと話したという。

ウクライナのメディアDefense Expressは以前、新型ドローンについて、翼長4m、重量およそ200kgを超える大型の「カミカゼドローン」になる可能性があると報じていた。

昨年12月、ロシア国内の空軍基地2箇所が攻撃を受けた。このうちモスクワから約700kmの距離にあるエンゲルス空軍基地に対する攻撃は、12月の初旬と暮れの2回におよんだ。ウクライナは関与を明らかにしていないが、ロシア側は、同国がソ連製のドローンを使って攻撃したと主張している。

欧米諸国は、ロシアとの直接衝突に発展することを恐れ、長距離兵器の供与に慎重な姿勢を示している。米国は5月、射程70kmの誘導弾を発射する高機動ロケット砲システム「HIMARS」の供与を決定したが、ウクライナが求める射程300kmの地対地ミサイル「ATACMS」の提供には踏み切っていない。ロシアも長距離ミサイルの提供は「レッドライン」であり、提供するならば、米国が「紛争当時国」であることを示すものだと牽制している。

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そうした中、イギリスのボリス・ジョンソン元首相は昨年12月、議会で、英政府はウクライナに「ATACMSのような長距離ミサイルシステムをウクライナに供給し、これらのミサイルやドローンの発射場を破壊するのを助けなければならない」と呼びかけ、「これがウクライナの友を守り、戦争をできるだけ早く終わらせるための真の方法」と主張した。これに対して、ウォレス国防省は「次に何をするかについて、オープンなつもりだ」と話すなど、検討の可能性を示した。

12月に米国でカマラ・ハリス副大統領と会談したリトアニアのイングリダ・シモニテ首相も、メディアの取材に、米国製ATACMSまたはヨーロッパの同等兵器を供与するべきとの見解を示していた。