ウクライナ 新型軍事ドローンの開発 最終段階に

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ウクライナの軍需企業ウクロボロンプロムは、開発中の攻撃用無人機が、最終試験の段階に進んでいると明らかにした。

Defense Expressによると、同社の報道官は4日の会見で、「試験の多くの段階が完了し、ウクライナ軍の参謀総長の指示に従い、電子戦の影響下での試験段階に移行している」と説明。これに成功した後、戦闘での試験を実施すると述べた。時期は、年内を約束するとした。

同社は10月中旬、航続距離1,000km、75kgの弾頭を搭載するドローンが完成間近だと発表していた。詳細は明らかにされていないが、Defense Expressは翼長4m、重量およそ200kgを超える大型の「カミカゼドローン」になる可能性があると報じていた。

ウクライナ軍は、トルコ製のバイラクタルTB2を運用しているとみられているほか、自爆型のものとしては、米国からフェニックス・ゴースト1,800機の提供を受けている。今年6月にロシアの製油所を襲ったのは、キーウのUKRSPECSYSTEMS社がクラウドファンディングで開発したPD-1または、後継機のPD-2ではないかとの指摘もある。

ロシア空軍基地にドローン攻撃か

ロシア国防省は5日、ウクライナがソ連製の無人機を使用して、リャザン州のジャギレボ空軍基地とサラトフ州のエンゲルス空軍基地を攻撃したと発表した。防空システムで低空飛行のドローンを迎撃したとする一方、整備士3人が死亡、軍人4人が負傷し、爆発により航空機2機が損傷を受けたとした。

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ロシアの国営メディアRTは、ジャギレボ空軍基地の攻撃に、1970年代から1980年代にかけて使用されたソ連製の偵察用ドローン、ツポレフTu-141ストリーシュが使われた可能性があると報じている。10月にセバストポリの黒海艦隊が無人機による攻撃を受けたが、今回はウクライナ支配地域から500km以上離れた国内深くが攻撃されたと強調した。

Tu-141 Zhulyany State Aviation Museum of Ukraine

AP通信によると、エンゲルス空軍基地には、ウクライナの爆撃に使用されている核攻撃が可能な戦略爆撃撃Tu-95とTu-160が収容されていた。ジャギレボ空軍基地には、爆撃機に燃料を補給する長距離型の空中給油機があったという。なおウクライナ軍は攻撃への関与を明らかにしていない。