トランプ氏がまたバーサー陰謀論 ライバル候補のデマを拡散

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アイオワ州の党員集会まで1週間と迫るなか、トランプ氏はライバル候補のニッキー・ヘイリー氏に大統領に就く資格はないとするデマをシェアした。

トランプ氏がTruth Socialに投稿したのは、極右サイト、ゲイトウェイ・パンディットがXに投稿したポストのスクリーンキャプチャー。ヘイリー氏は出生時に両親が米国市民でなく、修正第12条に基づいて大統領候補または副大統領候補の資格を剥奪されるなどといった主張が記されている。

ヘイリー氏は1972年、サウスカロライナ州バンバーグで生まれた。両親はインド系移民で、AP通信によると、ヘイリー氏は2015年のインタビューで、父親は1978年に、母親は2003年に米国に帰化したと語っている。

両親の市民権の有無に関わらず、米国で生まれたヘイリー氏は、大統領職に必要な3つの資格のうちの一つである「出生により合衆国市民である者」を満たしており、専門家らも候補者としての正当性に同意している。

憲法第2章第1条第5項は、「出生により合衆国市民である者、または、この憲法の成立時に合衆国市民である者以外」「年齢満35 歳に達していない者」「合衆国内に住所を得て14 年を経過していない者」は大統領職に就くことができないと定めている。

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また、修正第14条第1項には「アメリカ合衆国で生まれ、あるいは帰化した者、およびその司法権に属することになった者全ては、アメリカ合衆国の市民であり・・・」とされている。

トランプ氏がシェアした主張は、バーサーと呼ばれる差別的な陰謀論の一種で、オバマ元大統領やカマラ・ハリス副大統領も標的にされてきた。トランプ氏は長らくハワイ生まれのオバマ氏の出生に疑問を投げかけ、ケニア生まれで大統領の資格はないといったデマを推し進めた。2020年大統領選では、ジャマイカとインド移民の娘のハリス氏に資格はないとする誤った主張を広めたこともあった。

トランプ氏は世論調査の支持率で共和党のライバル候補を圧倒しているが、序盤戦で注目されるニューハンプシャーではヘイリー氏が急激に追い上げ、一部の調査によると一桁代にまで差を縮めている。

トランプ陣営は、ここにきて初めて数百万ドルを費やしてヘイリー氏のネガティブCMをニューハンプシャーで展開するなど、昨年の対デサンティス氏からヘイリー氏の勢いを阻止する戦略にシフトしていると見られている。

↓トランプ氏を支持する政治活動委員会による新しい広告。「国境を修復するにはニッキーは弱すぎる。リベラルすぎる」と批判。

トランプ陣営はまた、過去数ヶ月間「死のキス」と題したデサンティスを攻撃するメールを毎日送信してきたが、最近はデサンティス氏の代わりにヘイリー氏の攻撃に切り替えたという。

トランプ氏自身、5日にアイオワ州で開いた選挙集会でヘイリー氏に対する批判を展開。「ニッキー・ヘイリーは、キャリアを通じて開かれた国境とエスタブリッシュメントの寄付者の影響下にある。グローバリストで、彼女は地球が好きだ。私はアメリカファーストが好きだ」と述べ、「ニッキー・ヘイリーのキャンペーンはバイデンの寄付者が資金提供している」と支持者らに語るなどした。