トランプ氏、ジュリアーニ氏への支払いを拒否?

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トランプ大統領は側近に、ルディ・ジュリアーニ氏に弁護士費用を支払わないよう指示したという。ワシントンポスト紙が伝えた。

トランプ支持者らが議事堂を占拠した事件で、民主党が弾劾手続きを素早く進めるなか、トランプ氏は自分を守る人々いないことに腹を立てているという。

ペンス副大統領にとりわけ憤慨しているが、事情を知る人物によると、トランプ氏の最も忠実な擁護者で、選挙結果を覆そうと全国を奔走した弁護士のルディ・ジュリアーニ氏との関係も崩壊しつつあるという。

2人の高官の話では、トランプ氏は、ジュリアーニ氏に弁護士費用を支払わないよう指示したほか、トランプ氏の代理人として各州を旅行した際の費用の払い戻しについて、トランプ氏が個人的に承認することを求めたという。トランプ氏は、ジュリアーニ氏の動きの一部を問題視しており、1日あたり2万ドルの弁護士費用を要求したことも良く思っていなかったのだという。

このほか、ケイリー・マクナニー大統領報道官や娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問、ラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長、ロバート・オブライエン米大統領補佐官(安全保障担当)、マーク・メドウズ大統領首席補佐官も、トランプ氏の怒りを買っているという。

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弾劾決議案の採決を控え、トランプ氏の側近らは、仲間の議員らに対抗する論点を吹き込もうとせず、報道官は記者会見を開催しなかった。顧問らはテレビのインタビューに出演せず、弁護士や議会関係の担当者は、反対票を投じるよう議員らの説得に努めなかった。ワシントンポスト紙は政権の状況について、弾劾を阻止するための組織的な活動が欠如していることに加え、側近の多くが、トランプ氏の暴動の扇動が、防衛するにはあまりにも忌むべきものだと考えているためだと指摘している。

前回の弾劾裁判で中心的役割を果たしたパット・シポローネ大統領法務顧問は、今回はトランプ氏の弁護に関与しないことを伝えるよう、スタッフに話したという。

ホワイトハウスと連絡を取っているという元政権高官は、政権スタッフのマインドセットについて、これまでは「敵対的な防衛精神や、我々対彼らの対立構造、義憤の念」があったが、いまや消え去ってしまったと説明。「疲れ果てて、失望し、怒り、すべてを終える準備がある」と語ったという。

トランプ氏の最近の活動は、火曜日のテキサス訪問を除いて、ほとんど空だという。最近はテレビを見て、自分を擁護しない共和党議員を仲間とともに非難すること以外、ほとんど何もしていないという。

政権内では、トランプ氏が選挙が不正操作されたという妄想にふけることを許し、偽情報を与えたメドウズ首席補佐官への非難もあるといい、ある補佐官は同紙に「彼こそが、次々と変人を連れてきて、彼(トランプ氏)と話をさせた人物だ」と話したという。