「何の過ちもおかしてない」トランプ氏 NY法廷の証言を突然の取りやめ

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トランプ前大統領は10日、翌日に予定していたマンハッタンの法廷での証言を取りやめると発表した。

トランプ氏はTruth Socialに大文字で長文を連投し、「バイデンが指示したニューヨーク州司法長官による不正が仕組まれた裁判で、私はすでに成功裡かつ決定的に証言した」と主張。「銀行および保険会社の幹部、不動産のプロ、誠実で信頼に足るその他の人物が、私と私の非常に成功した会社は何も過ちを犯していないと宣言した」と続けた。

さらに、ニューヨーク大学ビジネススクール教授が「トランプ氏が学生だったら、彼の財務諸表にAを与えるだろう。これほど詳細にわたり、透明性のある財務諸表を見たことがない」と証言したと述べた。

「われわれの最後の専門家証人は非常に強力で反駁の余地のない証言をしており、火曜日に最終結論に達する。私はすでに証言をしており、これが完全かつ全面的な選挙妨害魔女狩りであること以外に申し上げることはない」と宣言した。

裁判はニューヨーク州司法長官とトランプ氏をはじめとする一家のメンバー、トランプオーガーニゼーションの間で争われているもので、10月2日から審理がスタートした。

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レティシア・ジェームズ司法長官は、トランプ氏らが金融機関から有利な融資条件を引き出すために不動産や土地などの資産価値を水増しするなどの不正行為を繰り返し、金融機関を騙したと主張。不当に得た利益2億5,000万ドルの返済などを命じるよう裁判所に求めている。

訴訟を担当するアーサー・エンゴロン判事は、審理開始に先立ち争点の一部について下した略式判決で、トランプ氏らが詐欺を働いたと認定した。そのため、裁判では損害賠償請求の行方が焦点とされる。

トランプ氏が言及したニューヨーク大学の教授は先週証言台に立ったエリ・バルトフ会計学教授。NY1によると、バルトフ教授は「私が主に発見したことは、会計上の不正の証拠はまったくないということだ」「重大な虚偽記載はなかった」と見解を述べた。

トランプタワーのトリプレックスの推定価値を不当に上昇したとされる点についても「単なる誤り」と示唆したという。

法廷では、バルトフ氏がトランプ氏側から多額の支払いを受けたことも明かされた。

NBCニュースによると、バルトフ氏は8日の証言で、90万ドル(1.3億円)の支払いを受け、支払い元はトランプ・オーガニゼーションとトランプ氏の政治活動委員会Save Amrica PACからだと答えた。

同局は、専門家証人が高額で依頼を受けることは珍しくないとしつつ、多額の選挙運動資金が法廷闘争に費やされていることが浮き彫りになったと指摘している。