ドバイ空港で職員に「触れた」女子大生に禁固1年の有罪判決、専門家が渡航注意呼びかけ

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米国在住の女子大学生がドバイの空港で、職員に暴行した罪で、禁固1年の有罪判決を受けた。現地の法律に詳しい専門家が、渡航に関する警告を呼びかけている。

外国人がドバイで不当に拘束される問題に取り組む組織「Detained in Dubai」によると、ニューヨークのリーマン大学に通うエリザベス・ポランコ・デ・ロスサントスさん(21)は7月14日、トルコのイスタンブールからニューヨークに向かう間に経由したドバイ国際空港で当局に拘束された。

同団体によると、ロスサントスさんは「職員に”暴行し、侮辱をはたらいた”とぬれぎぬをきせられた」と説明。「品位を傷つけられ、苦痛かつ屈辱的な取り調べを受けた」と語っている。

ドバイの当局は「暴行をはたらいた」と主張しているが、ロスサントスさんの代理人はInsiderに、「空港の警備員の腕に優しく触れた」だけと語っている。

Detained in Dubaiの創設者ラダ・スターリング氏は、「首尾よくいけば」拘束されるのは、帰国の便が予約できるまでの間ですむ可能性があるが、いつ国外追放が許可されるのかは不明だとした。

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拘束後、ドバイでの滞在費用と弁護士費用に5万ドル(約750万円)がかかったという。

ロスサントスさんは現在、「悪名高いアル・アウィール刑務所」に収監されており、21歳の学生にとっては「極限の状況」だと懸念を示した。

スターリング氏は、ロスサントスさんは、アラブ首長国連邦の「後進的な司法制度」の犠牲者だと主張。過去に不当に拘束された米国人の例として、インフルエンサーのティエラ・アレンさん(レンタカーの従業員に大声を上げたとして刑事告訴)や、ピーター・クラーさん(渡航前にラスベガスで合法的にマリファナを使用。ドバイに渡航後、血液中にマリファナの成分が残留していたとして拘束)のケースを挙げた。

同国では、訴訟を終わらせる代わりに、多額の和解金を求められるケースがあり、その金額は「極めて懲罰的」だとしている。

同氏は、ドバイでは「根拠のない主張が長期投獄につながる」可能性があると指摘。米国人は観光で訪れる際、「危険な場所であることを認識」しなければならないと呼びかけた。さらにドバイに対しては「法の濫用をやめさせるよう」懸命に取り組むべきだとしている。