渡航前に大麻摂取、米男性がドバイで拘束

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ドバイを訪れた米国人男性が、渡航する前に米国内で摂取した大麻が尿から検出されたために逮捕され、現地で2カ月近く滞在を強いられる出来事があった。

ドバイで法的支援を提供する弁護士のRadha Stirling氏によると、2月24日、レコーディングスタジオを視察するため、数日間の滞在予定でドバイを訪れたラスベガス在住のピーター・クラークさん(51)は、膵炎を発症し、緊急入院した。

病院が入院中のクラークさんに尿検査を行なったところ、ハシシを摂取したことを示す成分が検出された。病院はこれを警察に通報。警官が病院にやってきて、クラークさんを拘束した。

クラークさんは、3月3日に警察署に連行され、他の3人の男性とともに監房に入れられたという。

なおクラークさんは、アラブ首長国連邦に麻薬を持ち込んでおらず、現地で購入や消費をしたわけでもなかった。

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クラークさんの住むネバダ州では嗜好用大麻が合法化されている。

クラークさんはその後、麻薬班に引き渡され、麻薬所持で捕まった容疑者が10人以上収容されている「不潔な監房」に入れられた。

拘束が解かれたのは逮捕から3日後の3月6日で、ホテルで待機するよう命じられた。保釈後に撮影した動画で、クラークさんは「体重がずいぶんと減った。ここに来てからというもの、シャワーも、食べ物も、飲みものもない。睡眠もとっていない」と苦しい状況を語った。

Stirling弁護士は今月12日、自身のウェブサイト「Detained in Dubai」で、同国の法執行は恣意的で、法的結論は予測ができないとし、合法的に大麻を摂取したクラークさんは、数年間の禁錮になる可能性があると語った。さらに潔白であっても、時間と費用のかかる法的手続きを経なければならない可能性があると述べていた。

Stirling弁護士は3日前にウェブサイトの情報を更新し、クラークさんが本国送還されたと明らかにした。クラークさんは約2カ月間の滞在で5万ドル(550万円)の費用がかかったという。

送還される前にポッドキャストキャストで行なったクラークさんとのインタビューも公開した。クラークさんは、アメリカ人はドバイよりもマイアミに行くよう助言。「ドバイに行くな。いろんな理由で逮捕される可能性がある」と話した。