セサミストリートの着ぐるみに人種差別疑惑?ネットで炎上、訴訟の可能性も

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ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるセサミストリートのテーマパークで、「ロジータ」の着ぐるみが黒人の少女を無視したとして、ネットで炎上。テーマパークを運営する「セサミストリート・プレイス・フィラデルフィア」が謝罪する事態に発展した。

SNSで拡散されている動画では、観客にハイタッチをしながらパレードを行進していたロジータが、手を差し伸べる2人の少女をスルーする姿が撮影されている。

通り過ぎる際、拒絶するようなジェスチャーをしているようにも見える。少女たちは悲しそうな表情で見送った。この動画は現在、900万回以上再生され、「心が張り裂けそう」「人種差別」だと非難する声が殺到している。

著名人からの批判も相次いでいる。女優のイヴェット・ニコール・ブラウンは、悲しげな表情をうかべた少女の写真を添付し「全ての黒人女性はかつて、この顔をした小さな黒人の女の子だった」とツイートした。

歌手のケリー・ローランドはEntertainment Tonightに、動画を見て「激怒した」と述べ、着ぐるみは「2人の可愛らしい小さな少女が、あたかもそこに存在しないかのように扱った」と指摘。これが自分の子どもだったら「この場所を焼き尽くしていた」と怒りをあらわにした。

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セサミプレイスは謝罪、差別は否定

セサミプレイスは17日、SNSに声明を投稿。少女たちの期待に答えることができなかったことを謝罪する一方で、素通りは「意図的ではなく」、ノーのジェスチャーは「特定の人物に向けたものではない」と主張。人種差別疑惑を否定した。

声明では「セサミブランドおよび遊園地、従業員は包括性と平等を支持している」と前置きした上で、着ぐるみを着用するパフォーマーは、「時に低い場所を見ることが困難で、ゲストからのハグの要求を見逃す場合がある」と説明した。

また、ロジータの中に入っていた従業員に確認を取ったとし、ビデオに映っていたノーのジェスチャーは、特定の人物に向けたものではなく、写真撮影をするために子どものだっこを求める人々からの複数回の要求に対するものだったと述べた。

家族に連絡を取って謝罪し、キャラクターと改めて触れ合う機会に招待したと発表した。

母親は対応が不十分と反発

少女たちの母親ジョディさんはSNSで、同社の対応は不十分だと反論している。

ジョディさんはインスタグラムのストーリーズへの投稿で、キャラクターは皆に手を振っていたが、明らかに娘を見たうえで、ノーの判断を下したと指摘。マネージャーから連絡があったとしつつも、動画が話題になった後、コンタクトが途絶えたと述べた。

声明はセサミの「メンツを保つため」だと主張。「無礼かつ不快だ」と非難し、「公共の場」で娘らに謝罪するよう求めた。さらに「状況が改善される」まで、繰り返しビデオを投稿するとしている。

セサミプレイスにライセンスを供与している「セサミ・ワークショップ」は、18日に声明を発表。セサミプレイスに連絡を取り、バイアス研修を実施し、家族やゲストとの関わり方をレビューすることを約束させたと発表した。

セサミプレイスも同日、二度目の声明を出し、家族に改めて謝罪を表明した。週末に一家が体験した出来事は「OKではなかったと認識している」とし、「包括的かつ公平なエンターテインメント体験」を提供できるよう、従業員研修を実施すると述べた。

訴訟の可能性も

TMZは、母親は既に弁護士を雇っており、セサミプレイスを提訴する可能性があると伝えた。代理人のB’Ivory LaMarr弁護士は、当事者へのインタビューを行った上で、SNSに投稿されている複数のビデオを検証すると語っている。