ショーン・ペン、オスカー像をゼレンスキー大統領に進呈したワケ

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俳優で映画監督のショーン・ペンが、2022年に開催されたアカデミー賞授賞式で起きたウィル・スミスの「ビンタ事件」に言及。さらに、授賞式でウクライナのゼレンスキー大統領に対して、演説の機会を与えなかったアカデミーの主催者を批判した。

ペンはVarietyのインタビューで、ウィル・スミスとは、ほとんど面識がないとしつつも、会った時は善人そうだったと振り返った。さらに「ドリーム・プラン」(King Richard)に登場するウィリアム姉妹の父親、リチャード・ウィリアムズ役を演じたスミスは「素晴らしかった」と絶賛した。

一方で、平手打ちは「愚かな行為で、自分自身や周囲の人に唾を吐きかけた」と指摘。「私は自らのふるまいで刑務所に入ったが、なぜ君はそこにいるのか?」「なぜみな、彼の人間としての最悪な瞬間に拍手喝采を送っていたのか?」と疑問を投げかけた。

ペンは1987、映画『カラーズ 天使の消えた街』の撮影現場でスタッフを暴行。裁判で60日間の禁錮刑を命じられ、33日間服役した。2010年にも、カメラマンを襲ったとして、3年間の保護観察処分と300時間の社会奉仕を命じられている。

スミスは授賞式での暴行後、映画芸術科学アカデミーの会員を辞任すると発表。アカデミーは、アカデミー賞授賞式を含む同団体の関連イベントを、10年間出入り禁止とする処分を下した。

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ゼレンスキー大統領にオスカー像

ゼレンスキー氏は、対ロシア戦への支援を訴えるため、今年のアカデミー賞授賞式でリモート出演することを希望していたが、主催者から却下されたと伝えられている。アカデミーは2年連続、出演を断っている。

理由は公表されていないが、関係者は当時、Varietyに対し、有色人種が被害を受けた戦争をこれまで無視してきたハリウッドが、白人が被害者になっているウクライナ情勢だけに注目したことを懸念した可能性があると語っていた。

ペンは「(スミスは)愚かな暴力を振るったにも関わらず、居座り続けた」と指摘しつつ、ゼレンスキー氏のための時間を設けていたら、こんなことは起きなかっただろうと主張している。

これまで『ミスティック・リバー』(2004)と『ミルク』(2009)の出演で獲得したオスカー像は、ゼレンスキー氏に贈呈したという。「像を溶かして銃弾を作り、ロシア人の攻撃に使用することができる」と理由を語った。

ペンは、ロシアのウクライナ侵攻に関するドキュメンタリー映画「Superpower」を監督。米国では今月18日より、Paramount+で配信をスタートする。

ドキュメンタリーの制作は、侵攻前から計画されていたが、パンデミックで撮影は遅れていた。撮影が始まったのは、ロシアによる侵攻が始まった2022年2月24日だった。この日のインタビューは、大統領府の地下壕で行われたという。

ペンはCBSニュースの取材に、この日のゼレンスキー氏は、前日に会った人物とは全く別人で、「彼はこのために生まれてきた」と感じたと語っている。