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ロシア系母親 8歳の息子を殺害。ウクライナ戦争で精神不安定に

米ウィスコンシン州在住の母親が、8歳の息子を絞殺したとして逮捕、起訴された。犯行の前日、11歳のもう一人の息子を浴槽で溺死させようとした疑いもある。

逮捕・起訴されたのはシェボイガン・フォールズ在住のナタリア・アレクサンドロフナ・ヒッチコック被告(41)。殺人および殺人未遂罪で起訴された。地元テレビ局WTMJによると、被告は捜査当局の調べに、息子が人身売買され、虐待されて苦しんでほしくなかったからだと動機を語っている。

事件が起きたのは3月30日。午後5時頃、夫からの通報を受けて警察官が駆けつけると、リビングルームで意識不明で横たわった子供を発見した。起訴状によると、警察官らはこの時、首の周りに、絞殺されたことを示す打撲傷を確認した。ミルウォーキーにある小児病院に搬送されたが、翌月1日に息を引き取った。

夫は警察の調べに対して、被告の母親がロシアに住んでおり、ロシアによるウクライナ侵攻開始後、被告の精神状態が不安定になり、心配していたと話している。

ロシア行きの航空券がとれなくなったとことに腹を立てていたといい、最近になって飲酒をするようになった。武器を購入しようとして、夫が止めたことがあったほか、大都市から人々がやってきて攻撃するなどと心配していたことがあったという。

殺害後、刃渡り約15cmのナイフを持った被告は、ぼんやりとした様子で、家族全員を殺害すると脅かし、自分にもナイフを向けるなどしたという。警察官は後に、被告の胸に小さな刺し傷があるのを発見している。

警察官が何があったかと尋ねると、被告は、何者かが自分をコントロールしていて、毒を盛られていると説明。「ブレイン・フォグ」(脳に霧がかかった状態)といった言葉を繰り返し口にした。さらに息子を虐待から救おうとしたなどと話した。

起訴状によると、取調べでは「思考をコントロールされ、声が聞こえた」「ロシア政府が子供を奪って虐待すると考えていた」と話したという。

さらに、夫が自分と子供たちをダークウェブに売り渡そうとしていると信じ、子供の命を奪うのが最善だと考えたとも話した。8歳の子供だけを殺害したことに関して、最も幼く、か弱いからだと理由を説明したという。

前日、11歳の子供を浴槽で溺死させようとした容疑については、頭を湯船につからせたが、殺害しようとしたわけではないと否定。ただし、本人は児童施設の面接担当者に、母親が全身を使って頭を押さえつけていると感じたと話した。

5日に出廷したヒッチコック被告は退出する際、夫の方を振り返り「ごめんなさい。何が起きたかわからない」と謝罪したという。

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