トランプ氏の「時期尚早」勝利宣言、 共和党からも非難

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トランプ大統領は4日午前2時30分頃、ホワイトハウスのイーストルームで、勝敗が確定していないにもかかわらず勝利を宣言。集計を中止するよう最高裁判所に申し立てる意向を示した。

トランプ氏は、勝敗が報告されていない激戦州のジョージア州とノースカロライナ州について、「明らかに勝利した」と主張。さらに、ペンシルベニア州とミシガン州、ウィスコンシン州でも勝利していると語った。

トランプ氏は「われわれは勝利の準備をしている。率直に言って、われわれはこの選挙に勝ったのだ」と語った。

4日正午の時点で、選挙人の獲得数はトランプ氏が213人、バイデン氏224人。ミシガン州とウィスコンシン州では、バイデン氏の得票率が上回っていると伝えられている。ペンシルベニア州は、開票率80%の段階で、トランプ氏53%、バイデン氏45%と報じられている。

トランプ氏は一方で、「非常に悲しいグループが、(私に投票した人々の)権利を奪おうとしている。われわれはこれを支持しない」と主張。「国民に対する詐欺であり、われわれの国家の恥だ」述べ、「われわれは法が適切な方法で執行されることを願っている。よって、われわれは最高裁に行くつもりだ。すべての投票を中止させたい。朝の4時に投票用紙を見つけて、集計に加えてほしくないのだ。これは悲しい瞬間だ」と語った。

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しかし、バイデン氏の勝利が報じられたアリゾナ州については、トランプ支持者が多い地域があり、結果が覆る可能性があるとして、集計の継続を求めると語った。

Axiosは10月31日、トランプ氏が側近に、自身がバイデン氏に「先行」している場合、選挙日の夜に勝利宣言を行う計画を語っていたと報じていた。

報道について、トランプ氏は勝利宣言はしないと述べつつ、「選挙日の夜に結果がわからないというのはひどいことだと思う。…選挙が終わり次第、弁護士と一緒に行くつもりだ」と記者団に語った。またペンシルベニア州のウルフ知事を「党派的なやつ」と述べ、3日以降に到着する投票用紙の集計に関し、「われわれはそのような立場になりたくない」と述べた。

ペンシルベニア州では、3日の消印がある郵送投票に関しては、6日まで受け付ける。両者にとって勝敗の鍵を握る同州は、3日にトランプ氏が先行するものの、翌日以降、郵便投票の開票が進むにつれて結果が大きく変わるだろうとの見方が強い。

Politicoによると、ペンシルベニア州ではの250万人以上の有権者が郵便投票を行った。内訳は160万票以上が民主党員で、58.6万票は共和党員、27.8万票は無所属または第3者による投票だった。

トランプ氏の宣言について、近しい人物からも非難の声が上がった。

クリス・クリスティ前ニュージャージー州知事は「元州知事ではなく、元連邦検察官として話をするが、このような主張をする根拠はどこにもない」と主張。「彼が今晩したことには賛成できない」と述べ、不備を主張する前に「手続きを実行させなければならない」、時期尚早な宣言は、仮に欠陥が後になって判明した場合でも「自身の信頼性を損なう」ことになると語った。

クリスティ氏は続けて「悪しき戦略的決定であり、悪しき政治的決定だ」と述べ、大統領としてふさわしくないと批判した。

ペンシルベニア州のリック・サントラム元上院議員(共和党)はCNNで「大統領の発言を聞いて、心を痛めた」とコメント。「投票を数えている人々に対して、詐欺という言葉を使用するのは誤りだ」と批判。「彼らは今、不在者投票と郵便投票を数えているのだ。一部の郡では集計を止めているが、なぜかといえば、朝2時48分だからだ」と語った。

マルコ・ルビオ上院議員(共和党 フロリダ)はツイッターで「大統領選の結果は、合法に投じられた票が集計された後に判明する」とツイートした。

ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はスカイニュースでトランプ氏の発言を「最も無責任なコメント」と批判。「政治的利益のために、選挙プロセスの完全性に疑問を投げかけることは、恥ずべきことだ」と語った。また、トランプ氏が申し立てを行う場合、下級裁判所のプロセスを経なければならないと語った。