プーチン大統領、発展途上国の飢餓を計画か 米専門家

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ロシアのウクライナ侵攻開始から100日以上が過ぎる中、専門家から、プーチン大統領には、戦争に勝つために発展途上国を飢饉に追い込む計画があると指摘する声が上がっている。

中東欧の歴史が専門のイェール大学教授、ティモシー・スナイダー氏は11日に投稿した一連のツイートで、「ヨーロッパにおける戦争の次段階として、ウラジーミル・プーチンは、多くの発展途上国を飢えさせる準備をしている」と主張。

海上封鎖で、ウクライナの穀物輸出を妨害しており、これが続けば「数千万トンの食料が腐り、アフリカとアジア諸国の数千万人が餓死する」と警告した。

スナイダー氏は、ロシアによる飢餓計画は3つの狙いがあると説明。第一はウクライナを輸出から切り離すことで国家を破壊すること。第二は、ウクライナからの輸入に頼る北アフリカと中東から難民を生み出し、EUを不安定化させること。最後に、飢饉や大量の餓死、それに伴う暴動の非難の矛先をウクライナに向け、ロシアのプロパガンダに利用することで、ウクライナの領土を獲得し、制裁解除をさせることだとした。

スナイダー氏はまた、肥沃な土地を持つウクライナの穀物を支配することで世界を変えようとする考えは新しいものではないと指摘。1930年代にウクライナで数百万人の餓死者を出したとされるスターリンによる人為的大飢饉「ホロドモール」に言及したほか、ナチスドイツは「ウクライナの農業をコントロールするという考えを好み、実際にヒトラーの戦争目的の中心だった」と述べ、「ヒトラーは、ウクライナの穀物の輸送先をソビエトからドイツに変えることで、ソ連市民を飢えさせることを望んでいた」と説明した。

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スナイダー氏は、ロシアはヨーロッパにおける戦争を勝つために、アジアとアフリカ人を飢えさせる計画だと改めて述べ、「新たなレベルの植民地主義」であり、「飢餓政治の最新章」の突入と、警戒感を示した。