オバマ元大統領、バイデン陣営にテコ入れ

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オバマ元大統領は先月、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、選挙陣営のあり方に疑問を呈したという。ワシントンポスト紙が、複数の関係者の話として報じた。

オバマ氏は、トランプ氏再選の可能性をめぐる議論の最中に「活気づいていた」といい、バイデン氏の地元デラウエアにある選対本部に、より強力な意思決定者を送るか、もっと権限を委譲するべきだと告げたという。

オバマ氏は、2012年の再選キャンペーンの体制にも言及。デイヴィッド・アクセルロッド氏やジム・メッシーナ氏といった有力な側近をホワイトハウスからキャンペーンに戻して責任者に据えた例を挙げるとともに、自身の元選挙対策関係者に助言を求めるよう勧めたという。

オバマ氏は、状況が急展開する接戦では選挙陣営は機敏でなければならないと考えており、バイデン氏のスタッフにも「あからさまな態度」で積極的に動くよう示唆したという。

ポスト紙によると、バイデン氏は2020年キャンペーンで上級顧問を務めたチャベス・ロドリゲス氏を選対部長に据えているが、アニータ・ダン氏やジェン・オマリー・ディロン氏、マイク・ドニロン氏、スティーブ・リケッティ氏といった前回選挙で主要な役割を務めた側近らをホワイトハウスに置いている。選挙対策に関わる重要な動きがホワイトハウス主導にならざるを得ない体制に、他の民主党関係者からも懸念の声が上がっているという。

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リアルクリアポリティックスの各社世論調査の集計では、トランプ氏とバイデン氏の再対決となった場合、両者の差は2.3ポイントで、トランプ氏がわずかにリードしている。

また、バイデン氏に対する評価は低迷しており、先月のギャラップの世論調査では支持率が「39%」で、過去7人の大統領の同時期の評価に比べて最低となった。

二人の再対決となることが早々に決まる可能性もある。トランプ前大統領は、世論調査で共和党のライバル候補を圧倒しており、トランプ陣営の幹部は、3月19日までに勝利に必要な代議員数を獲得し、指名を確実にできるとの見通しを示している。

オバマ氏による警告について、バイデン陣営の選挙対策副部長クエンティン・ファルクス氏は7日、NBCニュースのインタビューに「われわれは競争力を保ち、勝つために必要なインフラを成長させるため、やるべきことをやり続ける」と現状を擁護。体制変更の必要性については、明確な回答を避けた。