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NY市 不法滞在者への緊急援助を発表。現金給付2,000万ドル

ニューヨーク市のデブラシオ市長は16日、滞在資格のない移民向けの新型コロナウイルス(COVID-19)の救済策を発表した

市は、ジョージ・ソロス氏のオープンソサエティ財団(Open Society Foundations)とパートナーシップを組み、予算2,000万ドル(約21.5億円)の「移民緊急救援プログラム」を開設。COVID-19に影響を受けた約2万人の移民に対し、1回限りの現金支給を行う。

1人あたり400ドル(4.3万円)、夫婦や母子家庭には800ドル(8.6万円)、大家族には1,000ドル(10.7万円)の現金が支給される。

予算は、市の非営利団体「Mayor’s Fund to Advance New York City」と市長室移民課が管理する。
希望者は311もしくは各コミュニティの移民団体に連絡をするよう呼びかけている。移民緊急救援プログラムの詳細については、市長室移民課の212-788-7654で情報提供を行っている。

デブラシオ市長は声明で「移民の人々は、この町の心臓部だ。友人であり、隣人、同僚でもある。この危機は、ニューヨーカーが今まで以上にお互いに気を配ることが重要であることを示した。滞在資格に関わらず、必要な支援を受けることを実現させるために協力してくれたオープンソサエティ財団に感謝する。」と述べた。

連邦政府の新型コロナ経済対策法では、ソーシャルセキュリティー番号(SSN)を有する米国市民や合法滞在者に対して、大人1人あたり1,200ドルの現金が支給される。CNNによると米国の760万人の不法滞在者のうち、430万人はSSNではなく納税者番号(TIN)と呼ばれる識別番号を通じて税金を納めているが、これらの人々は今回の給付対象から除外された。

市の発表によると、ニューヨーク市には人口の37%に相当する310万人の移民が居住しており、このうち73万8,000人は滞在資格がない。労働人口の44%は移民で、このうち不法滞在の労働者数は36万人、ビジネスオーナーも4万8,000人いる。
新型コロナの危機の第一線で働くエッセンシャルワーカー(デリバリー、EMS、医療従事者など)は約100万人で、その半数は移民の労働者だという。

なお、ソロス氏はニューヨーク市に対して、移民緊急救済プログラム2,000万ドルのほか、ホームレスや拘置所の収監者の支援に200万ドル、パブリックスクールに関連する基金に1,500万ドルを寄付した。

ニューヨークタイムズによると、ソロス氏は新型コロナウイルスの影響を受けた人々への救済として、これまでに1億3,000万ドル以上(約140億円)を投じてきたという。
ソロス氏はタイムズに充てた声明で「このパンデミックは、われわれの世界の断層や不公平をあらわにした。2008年の金融危機後、社会の中心にいる労働者に、社会的セーフティネットを与える機会を逃してきた。今日、私たちは方向を変え、自分たちに問いかける必要がある。この破滅的状況からどのような世界が生み出されるのか。私たちはより良い世界にするために、何ができるだろうか。」と問いかけている。

カリフォルニア州も現金給付を発表

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は15日、不法滞在者向けに新たな基金を設立したと発表。予算は1億2,500万ドル(約134億円)で、民間の慈善団体(5,000万ドル)と州の寄付金(7,500万ドル)から成る。基金を通じて、大人1人につき500ドル(約5.4万円)、1家で上限1,000ドル(10.7万円)を給付する。

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