ワクチン接種証明書偽造で2億円稼いだ看護師に有罪判決

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15日、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書に虚偽の情報を記載した看護師らが、偽造およびマネーロンダリングで有罪判決を受けた。

有罪となったのは、ニューヨーク市郊外のロングアイランド地区で小児クリニックを経営するジュリー・デヴォーノ(51)と、同クリニックに勤務する看護師マリッサ・ウラオ(44)。デヴォーノ氏は、偽造によって150万ドル(約2.2億円)を得ていた。

2人は昨年1月に逮捕されていた。ニューヨークポスト紙によると、デヴォーノ氏は収監を免れる見込みだが、犯罪で得た収益120万ドルは没収される。さらに看護師免許の返納と、小児科の閉鎖を命じられた。

サフォーク郡地区検察局のレイ・ティアニー検事は、「看護師としての立場を利用し、ニューヨーク州のデータベースに虚偽の情報を記載し、法の抜け穴を利用した」と説明。「私服を肥やす目的で、パンデミック中の一般人の恐怖や不信感に付け込み」、証明書を偽造したと批判した。

デヴォーノ氏が経営する病院では、米疾病対策センターから3,174 回分のワクチンを無料で受け取っていた。病院では、ワクチン接種カードに嘘の情報を記入する代金として、大人1回につき220ドルから350ドル、子供は85ドルを受け取っていたという。未使用のワクチンは破棄された。

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検察は、偽のカードを購入した顧客が訴追されるかどうかについては、明らかにしていない。

今回の事件では、ニューヨーク市警察に務める夫も捜査対象となっていた。夫妻は、売上の中から23万6980ドルを住宅ローンの返済に充てていた。

代理人のスティーブン・ゲイトマン弁護士は、デヴォーノ氏の行為は許されないとしつつも、ワクチン接種の義務化は「医療上の決定を下す際の個人の自由が妨げられている」と指摘。「政府による介入が、まさにこの問題を作り出し、育まれた」と加えた。

ニューヨーク市では2021年10月、市の職員に対するワクチン接種の義務化が施行され、警官や消防隊員らによる大規模な抗議活動が実施された。約1,800人の職員がワクチン接種証明書の提出を拒否し、職場を解雇された。なお、接種の義務化は今年2月に撤廃された