米議会下院 ナンシー・ペロシ氏を議長に選出

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flickr photo by Julio Obscura

民主党が多数派となった米議会下院は3日、投票により、民主党のナンシー・ペロシ議員(Nancy Pelosi)を第116第下院議長に選出した。

ペロシ氏(78)が議長に就任するのは8年ぶり。民主党が多数党だった2007-2011年以来となる。唯一の女性の議長であり、同一人物が議長の座に返り咲くのは、1955年のサム・レイバーン議員以来。

投票結果は 220対192だった。民主党議員のうち、12名がペロシ氏以外の議員に投票し、3名が棄権した。

11月の中間選挙で新たに選出された議員などを中心に、民主党に新しい顔を求める声も上がっていた。しかし、ペロシ氏は議長の任期を4年に限定することを約束し、党内の票を確実にしていった。

上・下両院で多数政党が異なるのは2015年以来。ペロシ氏は就任スピーチの冒頭で、11月の中間選挙で有権者は「我が憲法のすぐれた機能、すなわち、我々の民主主義を守る権力の抑制と均衡のシステムを要求した」と述べ、続けて、憲法第一条に触れ、立法府の権限は大統領、司法と同等である、と語り、大統領との対決姿勢を鮮明にした。

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さらに、「我々は中流階級の擁護者でなくてはならない」と述べ、以下の主な取り組み分野について語った。

  • 医療保険・薬価の低下、既往症のある人々の保護
  • インフラ再整備と、それによる給与上昇
  • 選挙資金、大統領の確定申告開示義務などの倫理法案、新たな有権者登録の手続きなどを含む反腐敗法(anti-corruption bill HR 1)の成立
  • バックグラウンドチェック(身元調査)の強化による銃規制
  • LGBTQコミュニティの差別廃止
  • DACAの受領者(ドリーマー)の保護

12月22日から政府期間が一部閉鎖されている問題については、同日中に、政府を再開するための法案を提出すると語った。