枕屋の社長 トランプ氏に戒厳令を提案?

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15日、マイピローガイことマイク・リンデル氏(Mike Lindell)がホワイトハウスを訪れた際、「戒厳令」などの文字が書かれた資料を手にしていたことが話題となった。

リンデル氏は枕メーカー「My Pillow」の最高経営責任者。共和党の主要なドナーで、トランプ大統領と親しく、熱烈な支持者として知られる。選挙後、右派メディアに度々出演して、選挙不正にまつわる様々な陰謀論を主張。訪問前にも、自身のフェイスブックに「みんな、信念を貫こう!トランプ大統領はあと4年続く」と根拠不明の誤った投稿をしていた。

リンデル氏は、午後3時過ぎに大統領執務室のあるウエストウィングに通された。ワシントンポスト紙のフォトグラファー、Jabin Botsford氏は、リンデル氏の姿を撮影し、この時手にしていた資料の拡大写真をSNSに投稿した。

ページ全体は見えないが、文面には「必要な場合は、戒厳令…」と書かれているほか、選挙後の突然の人事入れ替えで、クリストファー・ミラー国防長官代行の首席補佐官に就いたカシュ・パテル首席補佐官を「CIAの代行に移動する」といった文言もみられる。

このほか、Qアノンサポーターの間でおなじみの弁護士、シドニー・パウエル氏の名前や、外国による選挙介入を示唆する内容も印刷されている。

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リンデル氏は同日、デイリービーストの取材に対して、打ち合わせは5分~10分ほどだったと答えた。トランプ氏に、反トランプの選挙ハッキング活動に中国などの外国が関与したという疑惑に関する資料は「インターネット中」にあるが、ビッグテックによって抑えられているなどと告げたという。さらに「大統領。これは本当だ。あなたは少なくとも1,000万票差で勝利したのだ」と話したと明かした。

リンデル氏によると、トランプ氏は「そうだねマイク。みんな不正があったことはわかっている」と答えたという。トランプ氏はスタッフに、リンデル氏を別の部屋に通して「弁護士」に話をするよう伝え、その後、再び執務室に案内するよう指示したという。

リンデル氏は2時間ほど待ってようやくホワイトハウスの弁護士に会えたという。リンデル氏は、弁護士との会談について最初は考えを否定されたが、「信用を傷つけないよう」求めると「調査して、返信する」と回答を得たと経緯を説明。なお弁護士との面会後、再び大統領に会うことは許可されなかったという。

リンデル氏はまた、資料について、アメリカン・レポートという名のウェブサイトの記事をトランプ氏に渡したと明かした。

デイリービーストによると、同サイトは、トランプ政権末期の基準から見ても過激な内容で、陰謀論に満ちているという。

リンデル氏が提示した記事には、中国の通信企業や、すべての政府機関でソフトウエアの使用が禁じられたロシアのコンピュータセキュリティ企業、ドイツの大学、トロントにあるアマゾンデータサービスに関連するIPアドレスから、トランプ氏が敗北した接戦州のIPアドレスにハッキングがあったと書かれていた。

要点は曖昧だが、ドミニオン社の関与を示唆しているほか、選挙後に不正を否定し、トランプ氏によって解任されたサイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁のクレブス長官の信頼性を攻撃するような内容が併記されている。

同記事は現在取り下げられているが、ウェイバックマシンのアーカイブに保存されている。