メローニ伊首相 トルドー加首相は「フェイクニュースの犠牲者」LGBTQ権利保護めぐりG7で応酬

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G7で広島を訪れていたイタリアのメローニ首相は、21日の会見で、LGBTQの権利保護をめぐる自政権の姿勢に懸念を表明したカナダのトルドー首相を「フェイクニュース」やプロパガンダの「犠牲者」になっていると述べ、トルドー氏の見解は「現実と一致していない」と反論した。

19日、両国首脳の非公開の会談に先立ち、メローニ氏と挨拶を交わしたトルドー氏は、報道陣が見守る中「カナダは、LGBTの権利に関してイタリアが取っているいくつかの立場に懸念を抱いている」と説明。会談で話しあうことを楽しみにしていると加え、「というのも、われわれはG7という国家の集合体として、世界が必要としている民主主義の概念や価値観をよりよく普及させるために集まっているからだ」と話した。これを聞く間、メローニ氏は頭をかくような仕草をみせた。

カナダ政府の発表によると、両首脳はLGBTQの権利保護の重要性について意見を交わした。その中でメローニ首相は、裁判所の判決に従っており、前政権からも逸脱していないと答えたという。

イタリアでは2016年に同性婚が認められているが、今年3月、政府がミラノ市議会に対して、同性婚カップルが、代理出産(イタリアで違法)によって生まれた子どもの外国人出生証明書の認証を中止するよう命じたと報じられた

トルドー氏の発言について、ミラノが本社の現地紙リベロはフロントページに、2019年に流出したブラックフェイスの画像とともに、「この愚か者が、われわれにレッスンしたがっている」と批判した。

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写真は2001年にトルドー氏が教師時代、千夜一夜物語がテーマのパーティーに参加した際に撮られたもので、トルドー氏は当時、「するべきではなかった。非常に申し訳ない」と謝罪。人種差別的行為と認めつつ、当時は認識しておらず、後悔していると話した。