ギレーヌ・マクスウェル被告 新たな資料が公開

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ジェフリー・エプスタイン被告の性犯罪を助けたとして昨年7月に逮捕、起訴されたギレーヌ・マクスウェル被告は、2016年の民事裁判に関する証言録取で、エプスタイン氏の家で不適切な行為が行われた記憶はないと証言していた。AP通信が伝えた。

証言録取は、エプスタイン事件の告発者の1人、バージニア・ロバーツ・ジュフレさんが、マクスウェル氏に対して提起した名誉棄損裁判の一環で、2016年7月に作成された。マクスウェル氏は、エプスタイン氏の犯罪について「他のみんなと同様、世界と同様、新聞で知った」などと答えていた。主張の正確性について問われると、弁護士が回答を拒否するよう指示したという。

資料は、連邦地裁のロレッタ・プレスカ(Loretta A. Preska)判事の命令により、水曜日の夜に公開された。このほかに、エプスタイン氏の元ハウスマネージャーや従業員、友人でヘッジファンドマネジャーのGlenn Dubin氏による証言など、百を超える資料が公開された。

ジュフレさんの弁護士は、2016年4月にもマクスウェル氏の証言を録ったが、この際の回答が不十分だとして、裁判官が再度実施するよう命じていた。なお2016年4月の資料は昨年10月に公開されている。

現在ブルックリンの拘留施設に収監中のマクスウェル氏は、性的人身売買に関する4件の罪と2件の偽証罪に問われている。今回公表された証言録取は大幅に黒塗りされているものの、マイアミ・ヘラルド紙は、偽証罪の追求にとって非常に重要だと指摘している。

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資料では、アンドルー王子やビル・クリントン元大統領といった大物の名前も伏せられた。両氏はエプスタイン氏と友人関係にあったが、性犯罪への関与またはエプスタイン氏が人身取引を行なっている認識はなかったとしている。

マクスウェル氏はまた、エプスタイン氏との仕事を辞めた理由について聞かれると「仕事をするのが楽しくなくなり、彼と時間を過ごすのが幸せでなくなった」と述べ、「彼は一緒に仕事をするのが難しくなった」と回答したという。

デイリーメールによると、このほかに公開された資料には、マクスウェル氏からエプスタイン氏のために若い少女を連れてくるよう要求された人物や、未成年の少女で満たされた部屋で、マクスウェル氏が、エプスタイン氏に見せるために、少女らにキスやダンス、性的な方法で互いに触れるよう指示するのを目撃した証人の話しなどが含まれている。

ジュフレさんの元ボーイフレンドだというAnthony Figueroaさんの証言も公開された。Figueroaさんは、ジュフレさんがアンドルー王子との性的関係について話していたかと聞かれると「覚えていない」としつつ「可能性はある」と証言。さらに、エプスタイン氏が、ジュフレさんにペニスバンドを装着したマクスウェル氏と性行為するよう求めた後、三人の行為を強要したと述べていたことも明らかになった。

もう1人の告発者、Johanna Sjobergは、エプスタイン氏が絶頂に達することができなかったとして、マクスウェル氏から罰を受けたと証言した。

ある証人は、パスポートを奪われ、極度の不安に苛まれた15歳の少女を思い出し、マクスウェル氏が少女にエプスタイン氏と性行為をさせようとした後、脅していたと涙ながらに証言したという。

マクスウェル氏の公判は、7月12日からスタートする。