マンハッタンのコンドミニアム「トランプ」ロゴが撤去 そのワケは?

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マンハッタンのアッパーウエストサイドのコンドミニアム「トランプ・プレース」(Trump Place)で18日朝、建物正面に設置されていた文字が撤去された。

69丁目と70丁目の間にある46階建てのコンドミニアム(住所:200 Riverside Boulevard)でロゴが撤去される様子。

ニューヨークタイムズによると、同コンドミニアムは2000年に、1ドル(約110円)で、トランプ氏の名前を使用するライセンス契約を締結していた。

しかし、今月10日までに行われた投票では、全377世帯のうち70%近くの物件所有者が、トランプ氏の名を撤去することに同意した。彼らは、トランプの名前があることで、物件の再販価値が下がることを懸念したという。
(オンラインアパートメントブローカーのCityRealtyによると、マンハッタンのトランプアパートメントは、他のコンドミニアムの平均価格に比べて6.6%ほど低い。)

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大統領就任直後より撤去の協議

建物から文字を撤去する取り組みは、2017年よりコンドの役員メンバー間で協議が始められた。その年の2月には、64%の所有者が撤去に賛成を表明していたという。

しかしこれは、物件の所有者と、ビルを管理するトランプ・オーガニゼーションの間で、コンドミニアムのライセンス契約に関する法廷闘争にまで発展した。

トランプ・オーガニゼーションは、所有者らは、トランプの名称を使用するライセンス契約を遵守する義務があると主張。
しかしニューヨーク州の最高裁判所の判事は5月、建物の外観に「トランプ」の標識の使用を義務付けることはできないと判決を下した。

「Trump Place」の撤去にかかる費用は、2万3,000ドル(約250万円)と見積もられている。

同様の取り組みは他のエリアでも広まっており、これまでにもマンハッタンのコンドやソーホー地区のホテル、トロント、パナマシティなどで名前が撤去されている。