NYブロンクス誘拐事件、16歳少女の自作自演だった

903

ニューヨーク市のブロンクスで16日深夜に発生した誘拐事件は、誘拐されたキャロル・サンチェス(Karol Sanchez)さん(16)による自作自演であることが分かった。複数メディアが報じた。

誘拐事件として捜査を開始

事件は当初、母親と路上を歩いていたキャロルさんを、4人の男性が車で連れ去った誘拐事件として報じられていた。

事件後ニューヨーク市警察(NYPD)は、キャロルさんの顔写真や服装などを公開し、情報提供を呼びかけていた。17日朝には、ニューヨークに住む人々の携帯には誘拐を知らせるアンバーアラート(Amber Alert)が鳴り響いた。

公開された監視カメラの映像には、サンチェスさん親子がメルローズ(Melrose)のイースト156ストリートとイーグルアベニューの交差点付近を歩いていたところ、ベージュの4ドアセダンが近づき、親子の近くに停車。車から飛び出してきた2人の男性が、キャロルさんを捕まえ、そのまま車に引きずり込んだ。阻止しようとした母親は、地面に突き飛ばされる様子が映っている。

保護の後、でっち上げが判明

NYPDは17日午後3時前、キャロルさんがブロンクスで無事に発見されたと発表。
11日にアッパーマンハッタンの公園で18歳の女子大生が殺害される事件が発生していたため、多くの人はキャロルさんの無事を知り安堵した。

Advertisement

ニューヨークタイムズによると、キャロルさんは、保護された第49管轄区域の警官に対し、誘拐は彼女がでっち上げたものだと告白したという。

捜査官は彼女の動機について、故郷のホンジュラスへの帰国を検討していた母親に対し、米国に滞在したいと望むキャロルさんとの意見の相違が元になった可能性を指摘。キャロルさんは捜査官に、母親を「過保護」だと語っていたという。

NYポストによると、共謀した男性らについても取り調べが行われている。氏名は公表していないが、そのうちの1人はギャングの一員で、殺人罪や殺人の企てによる前科があるという。サンチェスさん親子はアップステート・ニューヨーク在住だが、キャロルさんは度々ブロンクスの親戚を訪れていた。
ABCニューヨークはキャロルさんと誘拐に協力した男性らは、知り合いだったと報じている。

NYPDは誘拐を仕組んだキャロルさんと複数の男性に対して、刑事罰を科すかどうかについては決定していないという。