アラスカ航空機から落下したiPhone「無傷」で発見される

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飛行中、機体のドアプラグが吹き飛んだアラスカ航空機から落下した乗客の携帯電話が、「無傷」で発見されたことがわかった。

乗客171人と乗務員6人を乗せたAS1282便は5日、オレゴン州ポートランド国際空港を離陸した直後にドアプラグが吹き飛び、出発から35分後、元の空港に緊急着陸した

乗客らは地元メディアに、少年のシャツや乗客の携帯電話が、穴のあいた部分から機外に飛び出したと事故発生時の様子を語っていた。

携帯電話はポートランドの路上で見つかったもので、発見者のショーン・ベイツさんが7日、「iPhoneを道路脇で発見した」写真をXに投稿した。

「まだ機内モードで、バッテリーが半分ある。#AlaskaAirlines ASA1282のバゲージクレームがオープンになっている」と携帯電話の画面を撮影した写真を添え、「16,000フィート(約4,880メートル)の落下から完全に無傷な状態で生き残った!」とコメント。「NTSBに連絡したら、これは2台目と言われた。まだドアは見つかっていないけど」と苦笑いの絵文字を加えた。

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ベイツさんはさらに、TikTokに投稿した動画で発見時の詳細を語っている

携帯電話は、散歩に出掛けた際に見つけたという。当初は車から投げ出されたのか、誰かがジョギング中に落とした物ではないかと疑ったが「まだ非常に綺麗で、傷もなく、茂みの下にあった。ロックされていなかったので開けてみると、アラスカ1282便の渡航確認書と手荷物受取書が出てきたので、NTSB(国家運輸安全委員会)に連絡した」と経緯を語った。

NTSBによると、携帯電話は2台発見され、既に回収されている。ジェニファー・ホメンディ委員長は「確認した上で、乗客に返却する」と語っている。

吹き飛んだドアプラグも、ポートランドのシダーヒルズ在住の教師宅の庭で発見された。ホメンディ氏は7日の記者会見で、”ボブ”の家で発見されたと述べ、回収した上、分析に着手すると語った。

ホメンディ氏の説明によると、機内で「爆発的減圧」が発生し、機長室の操縦席のドアが「猛烈な勢いで開いた」という。ヘッドホンの音声が喪失するなど、コミュニケーションの問題が発生したと語った。

衝撃により、空席の座席2箇所にフレームの「ねじれ」が生じたほか、ヘッドレストや背もたれが失われた座席もあった。

事故を起こしたアラスカ航空の「ボーイング737 Max 9」のボイスレコーダーは、電源の切り忘れにより、別の音声データが記録されていたという。現行の規定では2時間毎に新しい録音が開始され、以前の記録が上書きされる。

ホメンディ氏は、ボイスレコーダーは「航空機の安全性を向上させるための鍵」であり、「残念ながら、われわれにとっては損失」だと述べた。NTSBは、機器に記録される時間を2時間から25時間に変更するよう求めているという。