服や携帯電話が放り出された乗客も、アラスカ航空 機体の一部吹き飛ぶ

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アラスカ航空の旅客機がオレゴン州ポートランドの空港を離陸後、機体の一部が吹き飛び、緊急着陸した。

乗務員6人乗客171人を乗せたAS1282便は、5日午後5時ごろ、ポートランド国際空港からカリフォルニア州オンタリオに向けて飛び立った。

地元テレビ局KATUによると、機長は航空交通管制に「緊急事態だ。減圧があった。引き返す必要がある」と報告し、緊急着陸を要請した。旅客機は高度1万6000フィートに達していた。離陸から約35分後、元の空港に無事着陸した。

SNSに投稿された動画には、機体の側面の一部がもぎ取られたようになっている様子が確認できる。

搭乗客の1人はKATUに「左後方部で大きな衝撃音が聞こえた後、シューという音と共に酸素マスクが下りてきたので、みなすぐに装着した」と状況を説明。吹き飛んだ壁の横の座席には、少年とその母親が座っていた。「少年が来ていたシャツが吸い取られ」飛行機の外へ飛んでいったという。「母親は少年を押さえつけていた」と語った。携帯電話が吹き飛ばされた乗客もいたと伝えられている。

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別の乗客がTikTokに投稿した動画では、壁がなくなったまま飛行する機内の様子が撮影されている。

@strawberr.vy Girls’ trip turned into emergency landing trip… #alaska #alaskaair ♬ original sound – vy 🍓

事故を起こした機体は「ボーイング737-9 MAX」。連邦航空局によると、同機は昨年10月に就航したばかりだった。

アラスカ航空のベン・ミニクッチ最高経営責任者(CEO)は「予防措置」として、同社が保有する65機のボーイング737-9の飛行を一時的に停止すると発表した。「完全なメンテナンスと安全検査をした後にのみ」運航を再開するとしている。現在国家運輸安全委員会が調査を行っており、全面的に協力すると述べた。

ABCニュースの航空アナリスト、ジョン・J・ナンス氏は、今回の事故は、扉に似た形状の「プラグ」に関係があると指摘。追加の扉が必要な場合、航空会社が搭乗用のドアとして使用することができるように設計されていると説明している