エリザベス女王の国葬めぐるコストは?

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8日に死去したイギリスのエリザベス女王の国葬が、19日(月)に執り行われる。

女王の棺は14日にバッキンガム宮殿からウェストミンスター宮殿に運ばれ、5日間ウェストミンスター・ホールで公開安置される。葬儀はウェストミンスター寺院で行われる。

米国のバイデン大統領はジル夫人とともに参列する。英インディペンデントは、イギリス連邦のカナダのトルドー首相、ニュージーランドのアーダーン首相、オーストラリアのアルバニージー首相のほか、ドイツのシュタインマイヤー大統領、イタリアのマッタレッラ大統領、フランスのマクロン大統領、トルコのエルドアン大統領、ブラジルのボルソナロ大統領など各国首脳が出席すると伝えている。

日本の天皇皇后両陛下、スペインのフェリペ国王も参列を予定している。

同紙は、ロシアと戦闘中のウクライナのゼレンスキー大統領は参列を見送ると見られており、同様にプーチン大統領が出席する可能性は極めて低いとしている。

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国葬は1965年のウィンストン・チャーチル元首相以来。過去295年間で、国葬が行われなかった君主は、退位したエドワード8世のみだという。女王の母、エリザベス皇太后やフィリップ殿下は国葬ではなく「儀礼葬」だった。

王室の儀礼葬は、王族の中で軍位の高い人物や君主の配偶者、王位継承者のために行われるものだが、2013年に死去したサッチャー元首相にも儀礼葬が催された。

英夕刊紙イブニング・スタンダードによると、国葬では、棺を載せた砲車を英海軍の船員が引くが、儀礼葬では馬が引くといった違いがある。また国葬は紋章院の責任において実施される一方、儀礼葬は式部卿が組織する。国葬では議会への動議が必要になる場合があるという。

女王の葬儀にかかる費用は明らかにされていないが、2002年のエリザベス皇太后の葬儀では540万ポンド、1997年のダイアナ妃の葬儀には300万ポンドから500万ポンドかかった。

葬儀の支出に加え、銀行が休業すること、来年のチャールズ新国王の戴冠式までを考慮すると、英国経済への負担が膨らみ、ある情報筋は同紙に600億ポンド(9.9兆円)は下らないと話したという。