ジョージサントス 公式キャンペーンページより

今年の中間選挙で連邦下院議員に初当選した共和党候補者が、自身の学歴や職歴を偽っていたことを認め、大炎上している。

経歴詐称を認めたのは、ロングアイランドやニューヨーク市クイーンズ区の一部を含むニューヨーク州第3選挙区から立候補し当選したジョージ・サントス氏(34)。先月の中間選挙では金融業界での豊富な経験をアピールし、民主党の対立候補に8ポイント差で勝利したが、先週ニューヨーク・タイムズ紙がサントス氏の学歴や職歴に関して裏付けが取れないと報じたのをきっかけに、疑惑の目が向けられていた。

ニューヨーク・タイムズによると、サントス氏の学歴には経営学に定評のあるニューヨーク市立大学バルーク校を卒業したとあり、2010年に学位取得との記述もあるが、同校に問い合わせてもサントス氏の在籍記録は確認できなかった。ニューヨーク大学も学歴として記載があったが、こちらも同様にサントス氏の在籍記録はなかった。さらに職歴についても、履歴書に記載のある金融大手のゴールドマン・サックスとシティ・グループに実際に問い合わせたところ、2行のうちいずれも過去にサントス氏を雇用したことはないと回答したという。

報道以来、サントス氏に対しては綿密な調査を求める声が高まっていたが、一週明けた26日、サントス氏本人がメディアの取材に応じ、経歴を偽ったのは事実だと釈明した。

ニューヨーク・ポスト紙とのインタビューでサントス氏は、ゴールドマン・サックスやシティ・グループで「直接」働いたことはないと認めたが、自分が働いていた「リンク・ブリッジ」という会社が両行の取引先で「リミテッド・パートナー」として一緒に仕事をした、と説明した。

学歴に至っては、ニューヨーク市立大学バルーク校やニューヨーク大学を卒業していないばかりか「どこの高等教育機関(大学以上)も出ていない」と明かした。

サントス氏は、自分の罪は経歴を「盛った」ことだ、として謝罪。自分にその責任があるとしつつ、「私たちは人生において馬鹿なことをするものだ」とコメントした。

このほかにも、13件の物件を所有しているとしたことも虚偽だったと認め、現在はハンティントンの妹の家に住んでいるが、自分の家を購入しようとしているなどと語った。

サントス氏に対しては、来週に迫った連邦下院議員就任の辞退を求める声も上がっているが、サントス氏は、2年の任期は全うするつもりだと宣言。「自分は犯罪者ではない」と事件性のある問題ではないことを強調した。「私は、人々の関心について話すことで争ったのであり、履歴書ではない」と反論し、「この問題が私の議員としての成功を妨げるものにはならない。私は良い仕事をする。良い議員になる」と立場を固持する意向を示した。

家族のルーツや性的指向もウソか

サントス氏をめぐっては経歴だけではなく、家族のルーツに関しても偽っていた疑惑が浮上している。選挙戦当時、サントス氏は母がユダヤ系で、祖母が第二次世界大戦中ナチスの迫害を逃れたとしていたが、このほど「自分は明白にカトリック」だと明かし、祖母がユダヤ系だったがカトリックに改宗したと説明した。

自分がユダヤ系だと語ったこともあるという指摘も出たが、これに対しては「一度もユダヤ系(Jewish)だなどと言ったことはない。私はカトリックだ。母方の家族にユダヤ系のルーツがあるから、自分は『Jew-ish(ユダヤっぽい)』と言っただけだ」と釈明した。

また、サントス氏は共和党で初めて、ゲイであることを公表している候補者として連邦下院に当選したが、Daily Beastは先週、サントス氏は2012年から2017年までの間、女性と結婚していたと報じた。これに関してサントス氏は、「昔は女性と付き合っていたし結婚もした。これは個人的なことだ」とし、今は「まぎれもなくゲイだ」と、ある時点から性的指向が変わったと説明している。

サントス氏は27日にFOXニュースのインタビューにも出演。この日、タッカー・カールソン氏の代役でホストを務めたトゥルシ・ガバード元下院議員(ハワイ)から「恥ずかしく思わないのか」と質問を受けると、「民主党にも同じことが言える」と反論し、「ジョー・バイデンは40年間、国民に嘘をつき続けてきた。彼は米国の大統領だ。それでも民主党は彼を支持している。彼らは恥ずかしくないのか」などと開きおなおった。

反論を続けるサントス氏を、呆れた様子で聞いていたガバード氏だったが、最後に「彼ら(有権者)があなたの説明を信じるとは考えられない。彼らに対する自分の詐欺の深さでさえ認めようとしていない」と、厳しい言葉でインタビューを締めくくった。