事件から半世紀 未解決連続殺人「ドゥードゥラー事件」懸賞金25万ドルに

510

サンフランシスコ警察は、1970年代に同性愛者が次々と殺害された事件について、容疑者の逮捕につながる有力な情報提供者への報奨金を25万ドルに引き上げるとともに、新たな似顔絵を公開した。昨年1月に6人目の犠牲者の名前を公表した際、報奨金は20万ドルだった。

容疑者は、ゲイバーで似顔絵などを描いて犠牲者らに接近し、お世辞を述べるなどしてセックスに誘い出した上で殺害をしたとされ、このことから「ドゥードゥラー(落書きする人)」事件と呼ばれている。

事件は1974年1月から1975年6月にかけて、オーシャンビーチ周辺で発生した。犠牲者はいずれも白人の同性愛者だった。当時はソドミー法が有効で(カリフォルニア州でが廃止されたのは1975年)、同性愛者たちは市内十数ヶ所のゲイバーに出会いを求めて集まり、ビーチや公園が性行為の場所に使用されていた。

その後1975年7月にマーケットストリートにあるフォックスプラザアパートメントで、2週間以内に白人の同性愛者2人が襲われる事件が発生したが、こちらも同じ人物による犯行と見られている。フォックスプラザの生存者の証言によると、容疑者は、ダイナーで出会った際、ナプキンに動物の形を描き、自分は美術学校に通っていて漫画家になるための勉強をしているなどと話した。この被害者の証言に基づいて最初の似顔絵が作成されると、複数の通報が寄せられ、名前が割り出された。殺人課は、1976年1月にこの人物に事情聴取をしたが、容疑を固められなかった。容疑者の名前は公表していないものの、SF警察は今回の発表にあたり、現在も同一人物が捜査の焦点だとしている。

捜査当局はほかにも生存者がいるとみており、さらなる情報提供を呼びかけている。

Advertisement

地元新聞「サンフランシスコ・クロニクル」の記者で、「ドゥードゥラー事件」にまつわるポッドキャスト番組を配信しているケビン・ファーガン氏は、昨年2月、「ニュース・ネーション」の取材に、犠牲者は最大で17人にのぼる可能性があると考えを語っている。