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NY市 元警官でビーガンの市長誕生へ エリック・アダムスとは

2日に投開票が行われたニューヨーク市長選で、元警察官でブルックリン区長のエリック・アダムス氏(民主党)が、ガーディアン・エンジェルスの創設者カーティス・スリワ氏(共和党)を破り、当選を確実にした。AP通信が報じた
民主党の登録有権者が共和党の7倍といわれるニューヨーク市では、アダムス氏の勝利が確実視されていた。

アダムス氏が就任するのは来年1月1日。昨年死去したデービッド・ディンキンズ(David Dinkins)氏に次いで、2番目のアフリカ系アメリカ人の市長となる。

現職のデブラシオ市長が左派であるのに対し、アダムス氏は民主党予備選で中道派として支持を集めた。ニューヨークタイムズによると、自身を「実用主義的な穏健主義者」や「元祖進歩主義」と称することもある。

アダムス氏は、パンデミック後の治安回復や、中小・大企業の支援、アフォーダブルハウジングの拡大、初の女性警察委員長の任命、公立学校の改革、英才教育プログラムの継続、環境保護などを公約に掲げている。

エリック・アダムスとは

エリックアダムス ニューヨーク市長
©mashupreporter

エリック・リロイ・アダムスは、1960年9月1日、ブルックリンのブラウンズヴィル生まれた。食肉処理業の父リロイと、ハウスクリーナーとして働く母ドロシーの間の4番目の息子で、クイーンズのサウスジャマイカで育った。15歳の時、警察官から兄弟とともに暴行を受け、これが後に、ニューヨーク市警察に入ることを目指すきっかけとなった。また子供の頃、診断未確定の学習障害を患っており、教師から平手打ちされたこともあると明かしている。

ニューヨーク市立大学でデータ処理を専攻して準学士号を取得。その後、ジョン・ジェイ・ カレッジ・オブ・クリミナルジャスティスで刑事司法を学び、学士号を得た。マリストカレッジでは行政学で修士号を取得した。

1984年にニューヨーク市警察学校を卒業し、交通警察局の勤務を経て、ニューヨーク市警察の警察官になった。22年間勤務し、警部まで務めた。警官時代から活動家として注目を集め、1995年に現役警官から成る組織「100 Blacks in Law Enforcement Who Care」を設立し、警官による暴力や人種プロファイルなど、警察の黒人コミュニティに対する取り締まりの改革を訴えた。

2006年にニューヨーク州上院議員に当選。2013年に有色人種で初めてブルックリン区長に選ばれた。2017年に再選を果たしている。

2016年に2型糖尿病を患った。左目の視力を失い、手足の神経障害に襲われたが、植物由来の食事療法を用いて、3カ月で病を改善させた。これをきっかけに、予防医療やウェルネスをニューヨーカーに啓蒙する個人的なミッションをスタート。市のプロアクティブな公衆衛生の取り組みや、学校や健康リスクの高い低所得地域での教育活動の推進に努めている。プラントベースの料理本も発売している。

予備選挙の期間中、ポリティコの調査記事をきっかけに、アダムス氏の住まいに関する疑惑が浮上した。アダムス氏は、公式にはプロスペクトハイツにある家を登録しているが、実際には10年以上住んでいなかった。パートナーのトレーシー・コリンズさんと共同でニュージャージー州のフォートリーにコンドミニアムを所有していることから、市の住民ではないのではと疑問の声も寄せられている。

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