NY市 地下鉄のホームレス問題に新サポートプログラム

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ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は13日、地下鉄で無賃乗車などの違反を犯したホームレスに対し、裁判所への出廷命令ではなく、サポートサービスを受ける機会を提供するプログラムを開始することを発表した。

取り組みは「地下鉄転換プロジェクト(Subway Diversion Project)」と呼ばれ、7月1日から開始する。市長は声明で「ニューヨーカーは、地下鉄にいるホームレスの人々に正しい介入措置を施し、立ち直ることを助けることを望んでいる。低レベルで非暴力的な違反でこれらの人々を刑事司法に関わらせるのは、間違っており、誰も助けることにならない」と語った。

プログラムでは、無賃乗車や座席で横になるなど、ホームレスの人が軽い違反を犯すのを発見した場合、ニューヨーク市警察は、逮捕や出廷命令の手続きを行う代わりに、居住状況とプロジェクトの適用資格の審査を行う。適用が認められると、警察官はプログラムへの参加を紹介し、同意した者は非営利の福祉サービスオフィスまで案内される。そこで、ハウジングや雇用、医療、麻薬使用や精神病の経歴などから、シェルターや薬物依存の治療など適切な施設への紹介を提供するという。

地元紙amNYによると、ホームレス業務局(Department of Homeless Services)はシェルター以外にストリートや地下鉄で暮らす人々は3,588人と推定しており、1月の同局の調査では、シェルターに入っていない人々の61%が地下鉄で眠っていると答えているという。ホームレスに関係する地下鉄の事故や事件は過去10年で237%増加するなど、運行に与える影響も問題視されている。
MTAは今週初め、ホームレスの人々に関連する事件は、今年の1月から3月の間、昨年の同時期に比べ50%増加したと発表した。違法行為は371件に上り、84%で遅延が生じた。

NYポストによると、ホームレスの人数はデブラシオ政権の下で急増しており、アウトリーチ活動に要する費用も2013年に比べ3倍となり、対応が求められている。

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不必要な犯罪化を防ぎつつ、地下鉄に暮らすホームレスを減少させる取り組みに対し、ホームレス支援団体「Coalition for the Homeless」のGiselle Routhier氏は取り組みを「さらにホームレスを犯罪者とするのに役立つだけだ」と反対を唱える。

Routhier氏は「ニューヨーク市のホームレス問題について、刑事司法や警察で解決できるものはない。人々は、それぞれに正当な理由を持って、サービスやシェルターを避けている。最も重要なのは、安全と、居心地の良いシェルターのベッド、恒久的な住宅サポートの不足だ」と主張。「交通施設や車両へ避難する人々の悲劇を減らすことは、よりよい場所を彼らに提供することであって、彼らを囲うために警察を使用することではない。」と語った。