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「ワクチンの代わりに祈りを」テレビ伝道師 新型コロナで死亡

テキサス州ダラスが拠点のキリスト教テレビ局「デイスター・テレビジョン・ネットワーク」の共同創設者、マーカス・ラム(Marcus Lamb)さん(64)が、新型コロナウイルスに感染した後、死亡したことがわかった。妻のジョニさんが1日、番組内で明らかにした。

マーカスさんは、テレビを通じて伝道活動を行う著名なテレバンジェリストだった。ニューヨークタイムズによると、番組内でしばしば、ワクチンを接種する代わりに、祈りを捧げるよう説くなどしていた。

先月18日の番組で、ジョニさんが、自身の感染に続いて夫が感染したことを公表した。ジョニさんは、マーカスさんは糖尿病を患っており、これが症状を悪化させたと説明。さらに酸素レベルが急激に低下し、入院したと明かした。

感染した時期は明確にされていない。3日に番組に出演した際に、何度も咳をしていたという。

23日放送の番組で、ホスト役の息子のジョナサンさんは、父親のコロナ感染を「敵によるスピリチュアル攻撃だ」と主張。コロナの治療法などについて伝えてきたことを「敵がよく思ってなかったのは間違いない。あらゆる手段を使って、父の命を奪おうとしている」などと話した。ジョニさんも、「肺が綺麗になるよう祈ってください」と呼びかけたという。

マーカスさんは、局の最高経営責任者として、自身で番組のホストを務めていたほか、ジョニさんと一緒に運営するショーもあった。子供達も定期的に出演していた。番組は、主にケーブル放送を通じて、1億800万世帯に届けていると主張していた。

ラム親子を含むデイスターの出演者らは、番組内で、ワクチンの有効性に繰り返し疑問を呈していた。

先月10日に放送された番組では、ワクチンが「免疫システムを殺す」と誤った主張するセグメントがあった。マーカスさんは番組中「他の手段を提供したい」と述べ、ワクチンを接種する代わりに「祈ることができる。イベルメクチンとブドセニド、ヒドロキシクロロキンがある」と、コロナの治療薬として承認されていない薬の使用を推奨したという。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏やデル・ビッグツリー氏など、ワクチンに反対を唱える著名人をゲストに迎えることもあった。

先月、バイデン政権が100人以上の企業に対するワクチン接種義務化を発表すると、局として連邦控訴裁判所に、義務化を無効にするよう申し立てを行っていた。

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