訴訟まみれのトランプ氏、キャロル氏の弁護士が再び訴える可能性を示唆

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作家ジーン・キャロル氏の弁護士は、10日のCNNの番組におけるトランプ氏の発言をめぐって、再び名誉毀損の訴訟を提起する可能性を示唆した。

キャロル氏がトランプ氏を名誉毀損と性的暴行で訴えた訴訟は、今週9日に評決が出たばかり。1996年にニューヨークのデパートでレイプされたと主張するキャロル氏を、トランプ氏がSNSで詐欺呼ばわりしたことから始まった裁判で、陪審員はレイプは認定しなかったものの、トランプ氏に性的虐待と名誉毀損の責任があると認め、キャロル氏に500万ドルを支払う評決を下した。

10日、CNNがニューハンプシャーで開催した有権者らとの対話形式の番組に出演したトランプ氏は、キャロル氏とは面識がなく、レイプの話は虚偽との主張を繰り返した。

「どんな女性が、誰かと出会い、呼び寄せて、その数分後には試着室でいかがわしい遊びをしているんだ。当時彼女が結婚していたか知らないが、ジョン・ジョンソン(キャロル氏の夫)に同情するよ」と話すと、会場から笑い声が漏れた。

「自分の子供たちに誓っていうが、私は決してしていない。この女性が誰なのか知らない。フェイクストーリーで、でっち上げの話だ」と述べ、「彼女は頭がおかしい」などと攻撃。さらに「クリントンが任命したひどい判事がいた」と、裁判官にも鉾先を向けた。

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キャロル氏の弁護士、ロベルタ・カプラン氏は、ニューヨークタイムズの取材に、これら番組内での発言について、トランプ氏を再び名誉毀損で訴える可能性を示唆。「すべての選択肢があるのは明らかで、真剣に検討しなければならない」と語った。

キャロル氏は番組を見ていなかったが、翌朝カプラン氏から番組のトランスクリプトが送られてきたという。本人はタイムズのインタビューに「愚かで、気分が悪い。卑劣でむかつく、人々を傷つけている」と非難した。

なおトランプ氏の弁護士、ジョー・タコピナ氏は、11日に第2連邦巡回控訴裁判所に控訴状を提出したと報じられている。