爆弾製造の容疑でブロンクスの兄弟を逮捕

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15日、連邦当局は、ブロンクスのアパートに大量の爆薬を貯蔵し、爆弾を製造しようとしていた容疑で、ペルハム・パークウェイ(Pelham Parkway)在住の双子の兄弟を逮捕した。

逮捕されたのは、クリスチャン・トロ(Christian Toro)容疑者とタイラー・トロ(Tyler Toro)容疑者で、ともに27歳。

脅迫と学校からの通報が鍵に

逮捕につながったのは、爆弾脅迫状とクリスチャン・トロ容疑者が教師として働いていた学校職員からの通報がきっかけとなったという。

12月4日、ハーレムの高校に爆弾の脅迫が寄せられ、1人の生徒が逮捕された。この件で、ニューヨーク市警察(NYPD)は調査を開始。ハーレムのチャーター・スクールで、2016年8月より教師として働いていたクリスチャン・トロ容疑者は、12月21日以降、突然学校に来なくなり、1月9日に退職した。
3日後、弟のライラー容疑者が学校に返却したラップトップコンピューターを、ルーティン業務として検査していた職員は、爆弾の作り方の本のコピーがPC内に保存されていたのを発見し、警察に通報した。
これを機に、NYPDとFBIは合同でテロ調査をスタート。

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2月8日、FBIと警察は、クリスチャン・トロ容疑者にアパートで質問を行った際、容疑者は、ボストン爆破テロ事件についてリサーチを行っていたら、たまたまその本に行き当たっただけで、ダウンロードはしていないと説明した。

14日、FBIは、少なくとも2名の生徒が、2017年10月〜今年1月の間、トロ容疑者のアパートに出向き、花火を解体し火薬を取り除き、コンテナーに詰める作業を時給50ドルで行ったとの証言を得た。翌日、法執行機関より、捜査令状が出され、2人は逮捕された。

容疑者宅のクローゼットからは、酸化鉄20ポンド他合計32ポンド(14.5kg)の物質が発見された。これらを組み合わせることで、爆弾を作ることが可能とされている。
また、「われわれは双子のトロ、米国を襲う。ナノサーマルに戻る」、「キリストは捕らえられた」などと書かれた日記や、「オペレーションフラッシュ」、「満月の下で、小者たちは恐怖を味わうことになるだろう」という手書きのインデックスカードなどが、バックパックの中から発見された。この意味については解明されていない。

今回の事件とは別件で、クリスチャン・トロ容疑者は、勤めていた学校の生徒をレイプした容疑で1月31日に逮捕されていた、その2日後に保釈された。

両容疑者は、米国地方裁判所より、破壊的装置の不法な製造、未成年者に爆発物を供給した罪で起訴された。
二人は無罪を主張している。警察は、花火より火薬を取り出した学生らは逮捕されないと発表した。

動機や、ターゲット、計画、爆発装置など詳細は明らかになっていないが、ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)ニューヨーク市長は、テロの可能性もあったとし、多くの命を救った可能性があると述べた。