アリゾナ州立大学の中国人留学生9人、ロサンゼルス国際空港で入国拒否

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アリゾナ州立大学の学士課程で学ぶ9人の中国人留学生が、ロサンゼルス国際空港で税関・国境取締局(CBP)によって拘束された。複数メディアが報じた。

大学は声明で、学生らは、学業を継続するために米国に入国するのを拒否され、中国へ送還されたと発表している。学生らは秋のセメスターに通うために国外から戻ってきたところで、このうち数人は、秋セメスターに卒業を予定していたという。

拘束の理由は明らかにされておらず、大学は現在、政府と協力して、拘束が起きた状況の理解に努めているとしている。アリゾナ州立大のマイケル・クロウ総長は、「連邦政府のすべての階層」に連絡をしているほか、マイク・ポンペオ(Michael Pompeo)国務長官とケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)国土安全保障長官代理に書簡を送り、説明を求めている。

クロウ氏はポンペオ氏に宛てた書簡で「学生は米国入国に必要なすべての資料を所有していたが、空港で入国を拒否され、中国へ帰国しなければならないと告げられた。また、帰国のために航空券を自分で支払わなければならず、さもなければ今後5年間入国禁止になると告げられた」と述べ、「ロサンゼルス国際空港のCBP職員の対応に深刻な懸念がある」と表明。各学生のケースについて審査を求めているほか、CBP職員が電子機器を審査する「新たな標準的手続き」について、書面による説明を求めた。クロウ氏は書簡の中で、9人の学生は、ハーバード大学の学生のケースと類似しているようだ、とSNSを調べられた後に入国を拒否されたパレスチナ人学生のケースについて言及している。

この数日前、ハーバード大学に合格したパレスチナ人学生が、ボストンの国際空港の入国審査で入国を拒否されたことが報じられた。学生は拒否理由について、CBP職員が、SNSで学生とつながりのある人物による反米的な投稿を発見したからだと主張している。ハーバード大学のクリムゾン新聞によると、学生は入国審査でCBP職員に宗教上のしきたりについて尋ねられ、5時間にわたってラップトップや携帯電話などを調査された。その後、個室に呼ばれ、友人のソーシャルメディアについて質問を受けた。審査を行った担当の女性職員は、学生の友人による反米的な投稿を確認すると、叫び始めたという。学生は「他人の投稿について、責任を負われるべきではない。」と反論している。

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中国人学生のケースについてCBPはABCニュースに対し、入国するために満たさなければならない条件が多岐にわたることを強調しつつ、「中国人学生はCBP職員が検査中に発見した情報を元に、米国に入国できないと判断された」と回答している。