エアビーCEO 週3日出社モデルは機能しない

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民泊サイト最大手のAirbnb(エアビーアンドビー)のブライアン・チェスキー最高経営責任者は米TIME誌のインタビューで、未来のオフィスや人々の働き方について、自らの考えを語った。

同社は先日、6,000人の従業員に対して、永続的なリモートワークの選択を可能にすると発表。さらに従業員は、国内のどこに住んでも給与が変わらないとした。

チェスキー氏は、現在のオフィスのあり方はデジタルエイジ以前の産物で「終わった」と主張。もし存在しなければ、「我々は、それを発明しただろうか」「ラップトップで仕事をする従業員にとって、オフィスが意味するところは何か」と疑問を呈した。

多くの人が異なる地域に住んで仕事をするようになるだろうとし、自身も過去2年間、アトランタやナッシュビル、チャールストン、マイアミ、コロラドなどを転々として仕事をしていたと明かした。

未来の職場がどうなるかは、大手銀行や旧来の企業ではなく、若い企業をみればわかると述べ、新興企業はフレキシブルでモバイル、よりノマディックだと説明。おそらくこれが10年後の職場になると語った。

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リモート主体であっても、企業文化は「もちろん」存続すると主張。「われわれの企業文化は、かなり強力だと思うが、われわれは四半期に1週間集まるつもりだ」と計画を話し、人々が集まって、絆を深めるのには、四半期に1週間が十分だと考えていると語った。

Zoomやリモートワークが増えることによる弊害は、人々が孤独で切り離されていると感じることだとし、「純粋なZoom」は機能しないと主張した。ただし、解決策はハイブリッド勤務形態ではないと指摘。週3日が2日になり、1日になり、すぐにほとんどリモートの世界になるとした上で、「人々は週2、3日が持続可能でないことを理解していない」と述べ、「人々が集まることをもっと意図的にしよう。一度に1、2週間集まろう」と、理想の形を示した。

大都市はオフィス復帰頼み

ニューヨーク市では、コロナからの経済回復の遅れの原因の一つに、オフィスの復帰率の低さが指摘されている。オフィス人口の減少は、ホスピタリティやエンターテイメントなどの周辺ビジネスにも悪影響を与える。ウェルズファーゴのシニアエコノミスト、マーク・ヴィトナー氏は3月、ブルームバーグの取材に「ニューヨークの経済は、オフィスとエンターテイメントセクターに大きく依存しているため、経済回復の遅れが長引いている」と話した。

ニューヨーク市のエリック・アダムス市長はニューヨーカーにオフィスに戻るよう繰り返し呼びかけている。2月、ニューヨーク州民主党大会で行ったスピーチでは、在宅勤務の状況が、安定的な人の流れに頼るサービス型のビジネスを傷つけると主張。「仕事に戻る時だ。月曜日にはコロナが心配だと言って、日曜にナイトクラブで会いましょうなんて言わせない」と冗談めかしつつ、オフィス復帰の重要性を訴えた。