共和党予備選 ニッキー・ヘイリーに強力な支援者

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富豪チャールズ・コーク氏と故デービッド・コークが設立した政治組織「繁栄のためのアメリカ人(Americans for Prosperity, AFP)」とその政治活動委員会は、次期大統領選で、サウスカロライナ州の元知事ニッキー・ヘイリー(共和党)への全面的な支持を表明した。

28日に公表した「草の根の指導者、活動家、活動家」に宛てたメモで、「共和党はアメリカの核となる原則に反した悪しき候補者を指名」しており、これに民主党は「過激な政策」で対抗していると説明。

「ドナルド・トランプとジョー・バイデンは、政治の負のスパイラルを永続させるだけだ」とした上で、「ページをめくり、勝利を収めることができる候補者」はヘイリー氏をだとした。

決定の背景について、今年2月から600万人を超える有権者の聞き取りを行い、分析するなどした結果、75%の共和党の予備選有権者がトランプ氏以外の候補者を支持することにオープンであることがわかったと主張。予備選の緒戦州でヘイリー氏がトランプ氏を倒すのに最適なポジションに位置しており、8月以来の世論調査では、フロリダ州のデサンティス知事を抑えて2位に急浮上し、さらに多くの支持を得る強力な立場にあると述べた。また、内部の世論調査ではトランプ氏はバイデン氏に負けているが、ヘイリー氏は激戦州のすべてでバイデン氏に勝利し、全国で10ポイント近くの差をつけているともした。

政策面について、すべての争点について同意しているわけではないとしつつも、ヘイリー氏は「制御不能な政府支出に対処し、税制を簡素化する」といったインフレに対する大胆かつ強力な戦略を提示しているとしたほか、自由と機会を提供し、統制よりも競争を優先する政策を支持して来た長い実績があるとした。

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今後、何千人もの活動家と草の根の指導者を初期の予備選州に動員して「ドアをノックして、ニッキ・ヘイリーへの支持を促す」ことに加えて、広範なテレビ広告キャンペーンを展開する計画を示した。

CNBCによると、同政治活動委員会は2024年の選挙サイクルですでに7,000万ドルを集めている。チャールズ・コーク氏の純資産は推定500億ドルを超えるとされている。

同団体は今年6月、トランプ氏をターゲットにした広告キャンペーンを次々と展開し、「バイデンを勝たせる唯一の方法はトランプを再び指名することだ」「2024年はバイデンがトランプを打ち負かす。新しいリーダーが必要だ」「バイデンの秘密兵器は、共和党候補者のトランプ」などのメッセージを共和党支持者らに訴えた。

ただし共和党予備選に関する世論調査では、トランプ氏の独走状態が続いている。FiveThirtyEightの集計では、現時点でトランプ氏の支持率は59.8%、デサンティス氏12.9%、ヘイリー氏10%となっている。ヘイリー氏は地元サウスカロライナ州(19.5%)を含む緒戦州の一部でデサンティス氏を抜いて2位に浮上しているものの、トランプ氏との差は依然として大きい。

発表を受け、トランプ陣営の報道官はポリティコの取材に、トランプ氏がヘイリー氏につけたあだ名「Birdbrain(マヌケの意)」を繰り返しつつ、「親中国、国境解放とグローバリストの候補者」を選んだと批判した。デサンティス陣営のコミュニケーション・ディレクターは、Xのアカウント更新し、「コークの支持を取り付けたドナルド・トランプにおめでとう」と皮肉を述べ、「ニッキー・ヘイリーに費やされる金は、トランプ陣営への寄付として報告されるべきだ。ロン・デサンティスほどエスタブリッシュメントを倒した強力な実績を持っている人物はいない。今回も例外ではない」と投稿した。