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バディ、米国初の新型コロナ感染の犬が死亡

米国で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されたジャーマンシェパードのバディ君が、死亡したことがわかった。ニューヨークのスタテン島在住の飼い主、ロバート・マホニーさんがナショナル・ジオグラフィックのインタビューで明かした。

ロバートさんがコロナウイルスに感染してから間もない4月中旬、7歳の誕生日を直前に控えたバディ君は、呼吸に苦しむようになった。5月中旬にかけて体重が減少し、動かなくなっていった。数件の動物病院に連れて行ったが、ロバートさん以外、誰もウイルスの感染を考えなかった。

検査を受けることができたのは1ヶ月後の5月15日、3件目に訪れたベイ・ストリート動物病院だった。呼吸の問題を抱え始めてから、1カ月が経過していた。

検査は陽性で、その後、ニューヨーク市保健局によって結果が確定された。なお5月20日に再度検査を行った際は陰性だった。

しかし、その後もバディ君の容体は悪化。排泄を抑制できず、尿には血が混じるようになった。呼吸は「貨物列車」のような音をたてていたといい、7月初旬には歩行が困難になった。

7月11日、家族は、バディ君がキッチンで血の塊を嘔吐しているのを発見。動物病院に駆け込み、安楽死の決断をくだした。安楽死の当日、家族は獣医から、バディ君がリンパ腫を患っていたことを告げられた。新たな血液検査により判明したのだという。

ジオグラフィックは、「リンパ腫によってより感染しやすくなったのか、ウイルスが彼を病気にしたのか、または、偶然のタイミングだったのか不明」と述べている。

同誌によると、動物はウイルスの影響を受けにくく、感染してもほとんどが人間からで、症状は軽く、通常は回復すると考えられている。しかし、典型的なペットの犬については、ほとんどわかっていないのが現実だという。

ペンシルバニア大学で内科医学を専門とする獣医のエリザベス・レノン教授は同誌に、ペット動物に関する知識のほとんどは、実験室の研究からわかっているもので、現実世界では異って作用する可能性があると語った。また米国では少なくとも12匹の犬と10匹の猫で陽性が確認されているが、研究者が入手できる情報は限られている述べている。

さらに、動物の検査報告は義務付けられておらず、どれほどの動物が検査を受けているのか不明だという。

ロバートさんは、バディ君とコロナウイルスの関係について、市保健局や農務省と数回にわたって話した。専門家が参加した時でさえ「多くの沈黙があった。誰もわかっていなかったのだと思う。あの時点で、知っている人はいなかったと思う。」と述べ、「われわれは、犬のコロナウイルスについて科学的根拠に基づく知識または経験は皆無だ。」と語った。

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