パレスチナ系アメリカ人の6歳少年、26箇所刺され死亡

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イリノイ州で、パレスチナ系アメリカ人の6歳の少年が自宅で20箇所以上を刺され、死亡する事件が発生した。少年の母親も刺され重体となっている。

事件が起きたのは14日、シカゴから南西に65キロほどの距離にあるプレインフィールドタウンシップ。ウィル郡保安官事務所によると、およそ11時38分、通報を受け駆けつけた保安官代理らは、家主のジョセフ・M・チューバ容疑者(71歳)が、事件現場となった住居のドライブウェイの近くの地面に座っているのを発見した。

保安官代理らは、住宅内の寝室で親子を発見。2人とも胸、胴体、腕など複数箇所を刺されていた。6歳の少年は重体で病院に搬送され、その後、医師によって死亡が確認された。翌日、法医解剖を行った医師によって、腹部からナイフが抜き取られた。刺し傷は体全体の26箇所に及んでいた。犯行に使用されたナイフは刃渡り18cmの軍用ナイフだった。

32歳の母親も十数箇所を刺された。重体だが一命は取り留めた。

発表によると、チューバ容疑者は、第一級殺人、第一級殺人未遂、2件の憎悪犯罪、加重暴行の罪で起訴された。刑事らは、親子はイスラム教徒で、現在進行中のハマスとイスラエルの戦争のために標的にされたと判断することができたとしている。

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15日、アメリカ・イスラム関係評議会シカゴ支部の代表者は、少年の父親(女性の元夫)と叔父と名乗る男性らと会見を開いた。

母親の女性は12年前にヨルダン川西岸地区から難民として米国に渡ったという。親子は事件現場となった住宅に2年間暮らしていた。

チューバ容疑者にはユダヤ人のバックグラウンドがあった。以前は少年のためにツリーハウスを建てたり、おもちゃを持ってきたりと可愛がっていたという。シカゴ支部の代表、アフマド・リハブ氏は、チューバ容疑者は、一方的な指導者の声明や戦争の報道に触れ過激化したと話した。

父親が重体となった元妻から受けた説明によると、チューバ容疑者は犯行時「イスラム教徒は死ななければならない」と叫んでいたという。