TikTok「キアチャレンジ」盗んだ車で交通事故、10代の男女4人死亡

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TikTokで流行中の車両の盗難方法を真似したとみられる若者らが乗った車が衝突し、同乗者4人が死亡する事故があった。

地元テレビ局WHAMによると、事故が起きたのは24日午前7時ごろ、ニューヨーク州北部のバッファローで、キアのスポーテージがルート33号線の壁に激突した。運転手以外の5人が車外に投げ出され、3人はその場で死亡が確認され、1人は救急車で病院に搬送される途中で死亡した。死亡した若者の年齢は14歳から19歳だった。

運転手は16歳の少年で、病院で手当を受けた後、警察に身柄を拘束された。少年は車の不正使用および盗品所持の罪で起訴された。もう一人の生存者は14歳の少女で、現在集中治療室にいる。

事故を起こした車は、23日に盗難届が出されていた。バッファロー警察のジョセフ・グラマリア本部長は盗難方法について、USBケーブルを使用してキアのエンジンをかけるTikTokのチャレンジだと説明。「残念ながら、それは非常に容易い」と語った。

SNSで拡散され、盗難急増

今年の夏頃から「キアチャレンジ」と呼ばれるキアやヒュンダイの車を盗難する手口が、#KiaBoyzのハッシュタグとともにTikTokで拡散された。

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Independentによると、ロサンゼルス市警察のマイケル・ムーア警察署長は、車の盗難事故が前年に比べて85%増加しており、原因はTikTokにあるとみている。1,600台以上のキアとヒュンダイの車両が盗まれているという。

オレゴン州ポートランドでは、ヒュンダイの盗難が153%増加。キアは269%増加している。オハイオ州コロンバスでは、今年盗難された車のうち、2社の車が占める割合は38%だった。

メーカー側が盗難防止策を怠ったとして、訴訟沙汰にもなっている。カリフォルニア州オレンジ郡では9月、起亜自動車アメリカと現代自動車アメリカに対して、集団訴訟が提起された

原告は、2011年から2021年に製造されたキアの自動車と、2015年から2021年に製造されたヒュンダイの自動車には、「イモビライザー」(immobilizer)と呼ばれる盗難防止のためのパーツが欠けており、USBケーブルやスクリュードライバーで車を盗むことができると主張。損賠賠償金の支払いと全国でのリコールを求めている。ジョナサン・マイケル弁護士によると、イモビライザーが装備されていない車両は1,000万台あり、全車両のリコールには50億ドルかかるとみられるという。