「顧客満足度全米No1」食料品店がマンハッタンに初進出

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“全米で最も顧客満足度の高い”老舗食料品店「ウェグマンズ・フード・マーケット」(Wegmans Food Markets)が、マンハッタンに初進出することが分かった。

場所は、学生など多くの若者で賑わうグリニッジ・ヴィレッジのアスタープレース駅近く。今月閉店したディスカウント店「Kマート」の跡地(770 Broadway)で、2023年後半にオープンを予定。ボルネード・リアルティー・トラストが開発を手がける。

オープンの知らせにニューヨーカーからは「この1年の話の中で、最大の変革」「地球上で最も素晴らしい食料品店が、世界一の街にやってくる。完璧な組み合わせ!」などの喜びのコメントが寄せられている。一方「パパママストアがまた倒産する。大規模店は不要」「Kマートのように薄気味悪い場所になるのでは」など心配の声も上がった。
ロングアイランドや州都アルバニー、西海岸にオープンしてほしいなど、出店に関するラブコールも多数寄せられている。

なお1996年から営業していたKマートは今月上旬、突如閉店した。ユーザーからは「マンハッタンで一番のトイレがなくなって寂しい」「待ち合わせで涼むために使っていたのに」「すべてのニューヨーカーが、かつて一度だけ訪れたことがある店」「安い靴下とノンブランドのマウスウォッシュ、バラエティに富んだ缶詰の肉を売る奇妙なKマート、さようなら」「チェルシーまで出かけずに、ベッド&バスビヨンドの安いタオルを変えたのに」など皮肉混じりに閉店を惜しむ声が投稿された。

トレジョを凌ぐ人気店

Wegmans
ブルックリンのネイビーヤード店

ウェグマンズは1916年、ニューヨーク州ロチェスターで創業した同族経営の非上場企業。ニュージャージーやペンシルベニア州など、東海岸の郊外を中心に106店舗を展開している。

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顧客だけでなく、従業員満足度の高い優良企業として知られる。アマゾンやコストコ、クローガーを破り最も評判の高い企業に選ばれた(アクシオス・ハリスポール、2019年)ほか、2018年のマーケットフォースのコンシューマー調査で、パブリックス(Publix)やトレーダー・ジョーズを抑え、米国で最も好まれる食料品店に選出された。さらにフォーチュン誌の「働きやすい企業100社」に23年連続で選出されている(2021年は第4位)。

Wegmans

発表によると、アスタープレース店の売場面積は7600平方メートル以上で、ネイビーヤード(6900平方メートル)よりも大規模な店舗となる。
マンハッタンでは、ターゲットIKEAのように小規模な都市型のフォーマットで出店するのが一般的だが、新店舗は郊外型に匹敵する規模であることは注目に価する。なおネイビーヤード店では、5万点の商品を販売している。(オープン時の様子はコチラ

近くにはトレーダージョーズが2店舗、ホールフーズやターゲットのほか、日系スーパーのザイヤ、韓国系のHマートもある。食料品店の競争がさらに激化しそうだ。