米小売最大手のウォルマートが、子供向け知育玩具として販売していた商品に、「頭の中は、5グラムのコカインのことだけ〜」などといった、とんでもない歌詞が含まれていることがわかった。カナダ、トロントの地元テレビ局CTV Newsが伝えた。

問題に気がついたのは、トロント在住のアニア・タナーさん。生後15ヶ月の孫娘のプレゼントにと、歌って踊るサボテン人形「Dancing Cacutus Toy Talking Cactus Twist Learing Toy」を購入した。

人形は、スイッチを押すと、英語やスペイン語、ポーランド語の歌が流れ、笑顔のサボテンがクネクネと踊り出すという仕組み。

タナーさんが音楽を再生してみると、ポーランド語で、コカインや薬物中毒、自殺、うつといった、幼児に聞かせたくない内容を、みだらな歌詞に乗せて連呼するラップが流れてきた。ポーランド人のタナーさんは最初、何かの冗談だと思ったという。

歌は、2015年にポーランド人ラッパー、Cypisが発表した「Where Is The White Eel?」。アーティストは自分の音楽が使用されていることを知らず、中国の製造元に、著作権侵害の法的措置を講じる意向だと報じられている。

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サボテン人形は、ヨーロッパのアマゾンでも販売されており、今年7月に、歌が不適切だと苦情が出ていたという。

問題に気がついたテキサス州在住の女性も、ツイッターで報告している。

ウォルマートは、CTV Newsの取材に、商品は、第三者のセラーがマーケットプレースで販売したものと説明。販売を中止したと明かした。

米国アマゾンでは、現在もホリデーギフトのおすすめとして販売されており、レビュー動画では、ラップが流れる様子も確認できる。説明によると「快適な空間をクリエイトする人形は、パーティーやホリデー、クリスマスギフト、母の日のプレゼントにぴったりで、誕生日のギフトとしても必須、彼女のサプライズギフトにもふさわしい」という。日本のアマゾンでも同様のものとみられる商品が販売されている。商品には120曲が含まれているとあり、Cypisのものと同様、製造元が著作権をクリアしているかは疑わしい。