トランス女性のスパ利用巡りプロテスター衝突 流血騒ぎに

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カリフォルニア州ロサンゼルスのスパで、トランスジェンダー女性が施設を利用することの是非をめぐって、プロテスターらが衝突。警察が緊急出動する事態となった。ニューヨークポストが伝えた。

事の発端は、ロサンゼルスのコリアンタウンにあるスパ「Wi Spa」を利用した女性客が、トランスジェンダーの女性が女性専用エリアで男性器を露出しているなどと苦情を申し入れたこと。女性客は、店内には未成年の少女もいる、と憤慨した様子でフロントデスクに抗議し、その様子を収めた動画を自らインスタグラムに投稿した。動画では、店員が店の規則としてトランスジェンダーの人の利用を認めていると説明する様子が確認できる。

この動画が拡散すると、店に反対する人と、反差別派との間で議論が勃発。今月3日には、ウィルシャー・ブルバード沿いにある同スパの前で、店に反発する人たちと、反差別派の人たちが集まり、双方が衝突した。ごみ収集コンテナが放火されるなどの事態に発展し、ロサンゼルス市警が同日午後12時30分、これを不当な集会とみなして緊急出動した。

ツイッター上には、衝突の様子を収めた動画が多数拡散した。ある動画では、「イエスに倣え」と書かれた青いTシャツを着た男性が反差別派の女性を押しのけ、これに対して黒ずくめの集団が男性を叩きのめす様子も見られた。集団のうち一人は男性をスケートボードで叩き、男性は頭から流血する傷を負った。

トランスジェンダーの権利擁護派で反差別派のデモに参加した女性は、CBS LAの取材に対し、「人それぞれの生き方を認めるべきだと思う。トランスジェンダーの人も、生きたいように生きるべきだと思う」と語った。

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反差別派には過激派が加わっているとみられ、極左集団「アンティファ」の旗を翻す人々の姿も確認できる。

騒動の発端動画

店に苦情を申し入れた女性は、インスタグラムに投稿した動画の中で「あなたの店では、男性が女性専用エリアに入って、他の女性たちや幼い少女たちの前で男性器をさらしていいと言うの?Wi Spaはそれを認めると言うのね?」「彼はどう見ても男。女性じゃない。幼い女の子たちもいるし、女性客を不快にさせているのに、何もせず、彼を擁護するのね」と憤慨する様子が確認できる。

また動画の中では、他の客が女性に店の規則に従えないならよそへ行けとたしなめる様子も収められ、女性がこれに対し「あんたこそよそへ行きなさいよ!」と挑戦的な態度で返すやり取りも見られる。トランスジェンダーの女性の姿は動画には見られないが、この客をかばう男性客の姿も確認でき、女性はこれに「彼は男よ。彼は男よ」と反発している。

一方、別の女性客が同様にフロントに苦情を言い、返金を求める様子も確認できる。

Wi SpaはFox LAにあてた声明で、カリフォルニア州では「トランスジェンダーや、性の概念に当てはまらない感覚を持つ人たちへの差別を禁じている」と店側の対応の正当性を強調。「ロサンゼルスに位置するスパとして、Wi Spaは、先述の規則を含む、店による差別を禁じる州の法律に従う。他の都市と同じく、ロサンゼルスにはトランスジェンダーの人たちが暮らし、その中にはスパの利用客もいる」と述べた。