銃乱射事件で公開延期の問題作「ザ・ハント」 3月13日に米公開決定

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ユニバーサル・ピクチャーズは、昨年9月に公開を見送っていた新作「ザ・ハント(原題)」(The Hunt)について、3月13日に米国で公開すると発表した。

同作品は”エリート”グループが一般市民を誘拐し、スポーツ目的でハンティングするという社会派スリラー。当初、昨年9月27日に公開を予定していたが、8月に立て続けに起きたテキサス州とオハイオ州で銃乱射事件を受け、ユニバーサルは時期がふさわしくないとして公開中止を決定した。

予告編が公開された際、保守派を中心に内容を問題視する声が高まっていた。FOXニュースは、特権階級が「惨めな人々(deplorables)」をハンティングする悪趣味な映画と繰り返し批判した。「惨めな人々」は、2016年大統領選期間中にヒラリー・クリントン氏がトランプ氏の支援者を指して放った言葉。(なお、Vultureは、惨めな人々という言葉は、予告編や公式の解説には、見当たらないと指摘している。)
トランプ大統領も映画批判に加わり、「リベラルのハリウッドは、怒りとヘイトを伴う最高レベルの人種差別主義者」、「公開される映画は、混沌を生み出し、煽るために作られている。」などとツイッターで非難した。

ユニバーサルの関係者は公開中止について、トランプ大統領のコメントが出る前からスタジオと製作チームで議論していたと述べ、大統領の発言による影響を否定している。

「The Hunt」予告編

新たに公開された予告編では、「最も語られた映画は、まだ誰も見たことがない」とキャッチフレーズがつけられた。またポスターには、公開日が書き換えられ、「自分で判断を」とメッセージが書かれている。

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製作は『ゲット・アウト』(Get Out)などのヒット作で知られるブラムハウス・プロダクション(Blumhouse)で、ジェイソン・ブラム(Jason Blum)がプロデューサーを、クレイグ・ゾベル(Craig Zobel)が監督を務めた。ベティ・ギルピン(Betty Gilpin)、ヒラリー・スワンク(Hilary Swank)、エマ・ロバーツ(Emma Roberts)らが出演している。

©Universal Pictures