イーロンマスク、ツイッター買収「一時保留」のワケ

イーロンマスク ツイッター
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イーロン・マスク氏は14日、ツイッター社の法務部門から、守秘義務契約違反の警告を受けたことを明らかにした

問題とされたのは13日のツイートで、その中でマスク氏は、スパムや偽アカウントを5%未満としたツイッターの計測方法に準じて「サンプルサイズとして、100件を選び出した」と投稿していた。ツイッター社は、証券取引委員会に提出した資料で、偽アカウントの割合を明らかにしたものの、サンプルサイズについては公表していなかった。マスク氏はその後の投稿で「ボット確認のためのサンプルサイズを100だと明らかにしたことが、守秘義務契約に違反したとツイッター社から伝えられた」と説明した。

なおマスク氏は13日朝の投稿で、スパムや偽アカウントの数が、全ユーザー数の5%未満だと確認できるまで、「取引を一時保留する」と発表した。突然の報告に、株価が前日の終値から急落するなど、市場に衝撃が広がった。

マスク氏は以前から、スパムやボットアカウントを問題視しており、買収合意前の4月21日には「買収が成功した暁にはスパム・ボットを倒す。絶対にやり遂げる」と、改革に取り組む姿勢を示していた。

問題にこだわるわけ

米ABCニュースは、マスク氏が偽アカウントを懸念する理由は主に2つあるとし、ビジネスモデルに対する脅威になると同時に、リアルユーザーからのプラットフォームの信頼性を損なう可能性があると指摘している。

ツイッターの収益の大部分は広告収入で、それは表示された広告を視聴するユーザーの数に左右される。市場関係者は同局に、リアルユーザー数の正確な把握が、広告またはサブスクリプションがもたらす将来の収益の流れを推定する鍵を握ると考えれば、フェイクアカウントの正確な把握が重要だと説明している。

ロイター通信によると、ツイッターは証券取引委員会に提出した資料で、第一四半期の1日当たりのアクティブユーザー数を2億2,900万人と報告している。売り上げは12億ドルで、このうち1.11億ドルが広告収入だった。

一方、問題を口実に、マスク氏が価格交渉をしかける可能性や、合意自体を白紙に戻す危険を指摘する声も上がっている。

投資企業Wedbushのダン・アイヴズ氏はABCの取材に、マスク氏の言動を「取引を不確実にする見世物」と述べ「取引成立のチャンスは、いまや50%以下」との見解を示した。