トランプ氏 退任後初のTVインタビュー、リンボー氏を追悼

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保守派のトークショーのパイオニアで、保守層や政治に多大な影響を与えたラジオホストのラッシュ・リンボー氏(70)が死亡したことを受け、トランプ前大統領は、議事堂事件後初めて、テレビインタビューに出演した。

リンボー氏の妻、キャスリンさんは17日、番組リスナーに、リンボー氏が朝、「肺がんからくる合併症」により死亡したと発表した。リンボー氏は1年前に癌を患っていることを明かしており、昨年10月には、ステージ4の癌は「間違った方向」に進行していると話していた。

トランプ氏はFOXニュースの番組に電話で出演。昨年の一般教書演説で大統領自由勲章を授けたことを大変光栄だと振り返り、「彼は特別だった」と語った。リンボー氏と3~4日前に話したと明かし、「彼の戦いぶりはとても勇敢だったが、非常に具合が悪かった。勝てそうなものではなかった」と話した。

選挙後に交わした会話について聞かれると「ラッシュは、私と同様にわれわれが勝ったと考えていた。わたしは実質的に勝ったと思っている」と発言。「夜の10時に終わっていた。多くの人がそう思っていたが、ラッシュはそれを強く信じていた。多くの専門家もそうだ」と、誤った主張を繰り返した。

選挙人獲得数306対232で敗北したトランプ氏は、選挙が「盗まれた」と主張。リンボー氏もこれを支持した。結果を覆そうと、60件近くの訴訟を提起したが、1件を除いてすべてが棄却または却下された。トランプ氏は最後まで敗北を認めることなく、1月6日に「Stop the Steal」集会で演説。選挙不正を信じた支持者らによる議事堂襲撃事件へとつながった。

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暴動を扇動したとして弾劾訴追されたトランプ氏に対し、上院は13日、無罪を言い渡した。

トランプ氏は、民主党が同様の立場であれば「至るところで暴動が起きていた」と続け、共和党のシステムでは、民主党のような「サポートがない」と不満を述べた。「ラッシュはわれわれが勝ったと思っていた。彼はこれに非常に怒っていた」と話した。

このほか、大統領自由勲章の授与の経緯について聞かれると「事前に知らせていた」とサプライズではなかったことを明かした。「当時、ラッシュは具合がとても悪く、ボストンの病院にいた。サプライズ的なことはしたくなかった」と語った。

トランプ氏はリンボー氏と2015年に出馬した際に知り合ったといい、トランプタワーのエスカレーターで初めて会った出来事を振り返り「彼と会ったり、話したり、食事をしたりしたことがなくても、最初からすぐに打ち解けた。彼は私の言うことが好きで、同意していた。すばらしいジェントルマンだった」と話した。

また「私にはすばらしい弱点があるんだ。私はいつも、私を好きになってくれる人々が好きなようだ」と述べ「彼らが私を好きでなければ、私もあまり好きにならない傾向がある」と語った。