トランプ氏 バイデン氏の81歳誕生日に健康アピール

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トランプ前大統領は20日、バイデン大統領の81歳の誕生日にあわせてかかりつけの医師による健康状態に関する書簡を公表した。

2021年からトランプ氏の医師を務めているというブルース・アーノルド氏は同日付の書簡で、「トランプ氏の全体的な健康が良好であることを報告できることを嬉しく思う」と述べ、「身体検査は正常の範囲内であり、認知検査は並外れている」と説明。最新のラボの検査では「最も重要なパラメーターの一部で以前より好ましい結果」を示し、「おそらく体重の減少によるものと考えられる」と加えた。

心血管検査は正常で、がんのスクリーニングも陰性だったとしたほか、「彼は今後何年にもわたって健康でアクティブなライフスタイルを享受し続けるでしょう」と述べた。なお、こうした評価を裏付けるデータは公表していない。

検査は9月13日に実施したとしており、大統領史上最高齢のバイデン氏の誕生日にあえて発表したのは、選挙戦略の一環であることがうかがえる。

トランプ氏が医師の言葉を通じて健康状態をアピールするのは、今にはじまったことではない。

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大統領選を翌年に控えた2015年、トランプ氏は30年来のかかりつけ医師だったハロルド・ボーンスタイン氏による文書を公表したが、後に本人が、トランプ氏の指示によりでっち上げたことを認めた。文書には「もし当選すれば、トランプ氏は大統領に選ばれる中で最も健康な個人となると断言できる」と記されていた。

大統領就任から2年目、当時の主治医、ロニー・ジャクソン氏は会見で、トランプ氏の健康状態を全体的に優れているとしつつ、「信じられないほどよい遺伝子を持っている、神がそのように創造した」「もし過去20年間に健康的な食事をしていたら、200歳まで生きられるかもしれないと大統領に告げた」と述べるなどし、記者らの失笑を買う場面があった。

ジャクソン氏はこの数ヶ月後、トランプ氏によって退役軍人省長官に指名されたが、不適切な薬の処方や業務中の飲酒疑惑が浮上し、辞退を余儀なくされた。

身長や体重をめぐっても常に疑問がつきまとう。今年8月、ジョージア州フルトン郡の拘置所に出頭したトランプ氏の体重と身長は、収監記録からそれぞれ190センチ(6フィート3インチ)と97.5キロ(215ポンド)と登録されたことが明らかになった。

しかし、4月にマンハッタンの裁判所に出頭した際、トランプ氏は体重を109キロ(240ポンド)、身長は188cm(6フィート2インチ)と申告していた。4カ月間で約11キロの減量に成功するどころか、77歳にして身長が約2センチ伸びたことに、ネットでは「ありえない」との声が相次いだ