「サンキュー、CNN!」トランプ氏が異例の感謝

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トランプ前大統領は8日、Truth Socialのアカウントを更新し、YouTubeのリンクを添えてCNNのキャスターに感謝の意を表明した。

「エリン・バーネットとCNNに感謝する。彼らでさえ、同志のカマラ・ハリスは偽者だと言っているぞ!」

トランプ氏が指す動画では、国境の壁をめぐるハリス氏の過去の言動について、バーネット氏が検証するセグメントが抜粋されている。

選挙に向けて国境の取り締まりに厳格姿勢を打ち出したハリス氏だが、番組によると、過去にSNSなどで50回以上、トランプ氏の国境の壁建設を「ばかげた」「使い物にならない」「中世的な虚栄心のプロジェクト」など、非難を繰り返していた。

さらに2019年に出版した自伝では、「国境の壁に反対する大きな理由がある」とし、「無駄な壁」は、「私の価値」に反する象徴であるだけでなく、建国の「基本的な価値」に反していると主張していた。

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番組では、ハリス陣営の最新のテレビコマーシャルにも言及。国境の壁の中でもトランプ政権下で築造された部分の映像が含まれていると指摘しつつ、それを使用して自身の政策姿勢をアピールするのは「注目に値する」とした。

ハリス氏は国境政策に加えて、環境に悪影響を及ぼすとして反対していた天然資源の採掘技術(フラッキング)を容認する姿勢に転換したほか、2020年予備選の目玉として提案に加わった単一支払者医療保険制度をアジェンダから外したと報じられている。

ハリス氏のこうした中道路線シフトは、トランプ氏らによる「極左」レッテルをかわして、皆の大統領をアピールして広い支持層を獲得する狙いがある。

これに対してトランプ陣営は、人気取りのために態度を容易に変える信頼の置けない人物と攻撃材料にしている。

バイデン氏の撤退後、好意的な報道が多かったハリス氏だが、今後は具体的な政策論争に関心が高まり、メディアとの「ハネムーン」期間は終わりを迎えるとの指摘もある。

有権者と政治情報の関わりを専門とするミシガン大学の准教授、ダスティン・カーナハン氏は、USAトゥデイのインタビューで、ハリス氏はバイデン氏の撤退以来、「好意的な報道につながるイベントを多くこなし、党もハリス氏を中心にまとまっている事実がある」とした上で、「討論会はハネムーンの終わりになるかもしれない」、と10日のトランプ氏との討論会がターニングポイントになる可能性があると主張。「ハリス陣営にとって人々を説得することが非常に重要だ。政策など、すでに批判を受け始めている問題に踏み込むことだ」と語った。