1ポイントで世界が一変、大統領選データジャーナリストが指摘する「過去60年で異例の展開」とは

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接戦が予想される今年の大統領選は、過去60年にはなかった異例の展開だという。

CNNのデータレポーター、ハリー・エンテン氏は6日、今回の選挙に関する世論調査の結果は「継続的」に接戦を示していると強調した上で、過去15回の選挙に言及した。

同氏によると、1964年から2020年の大統領選はいずれも、どちらかの候補者が全国世論調査で3週間、少なくとも5ポイント以上リードする状況があったが、今回の選挙に関しては、両者の差が5ポイントを超えた日は1日たりとも発生していない。7つの激戦州に限ると、ハリス氏とトランプ氏の差はわずかに0.6ポイントで、誤差の範囲に十分におさまる状況が継続している。

エンテン氏のプロジェクションによると、ハリス氏が最終的に0.6ポイント差を守り抜くと仮定した場合、選挙人の数は292対246となる。ただし、トランプ氏がわずか1ポイントでも世論調査を上回れば、287対251で勝利する。「われわれは、何世代にわたる選挙の中で最も僅差のキャンペーンについて語っているのだ。シングルポイントが世界を一変させてしまう。本当にエキサイティングなレースが展開されている」と語った。

ハリス氏失速?NYT調査ではトランプ氏が1ポイントリード

ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が8日に公表した世論調査(9月3日から6日、1,695人に実施)では、全国の有権者の間で、トランプ氏がハリス氏を1ポイント上回った。

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同紙は、数字はバイデン氏が撤退を表明した直後の7月下旬と「ほとんど変わらない」と指摘。ハリス氏に対する「急速な盛り上がりから、民主党の熱狂を現実へと引き戻すかもしれない」と警告した。

有権者が「最も重視する争点」は、経済(21%)を筆頭に中絶(14%)、移民(12%)、インフレと生活費(7%)、民主主義(7%)と続いた。そのほか、候補者の性格(6%)、相手の候補者が嫌い(6%)、外交政策(3%)、平等/不平等(3%)、医療(2%)、中東/イスラエル/パレスチナ問題(2%)となった。

職務への信頼性について、経済(トランプ:56%、ハリス:40%)と移民(トランプ:53%、ハリス:42%)に関してはトランプ氏が上回り、中絶(トランプ:38%、ハリス:55%)と民主主義(トランプ:44%、ハリス:50%)でハリス氏がリードした。

調査では、有権者の60%以上が、次期大統領にバイデン政権からの「変化」を期待していることが示された。

ハリス氏は、キャンペーンスローガンを「われわれは後戻りしない」とし、先月行われた全国放送の唯一のインタビューでは「新たなページ」をめくる候補者であることを強調した。ただし、副大統領としてバイデン氏の政策に沿いながら、有権者に自らを変革の候補者としてアピールできるか、懐疑的な見方もある。

同調査で、ハリス氏が「変化を示す」ことができるかという質問に対しては、回答者の過半数(56%)は「ほぼ同じ」と回答。「大きな変化」は25%で、「わずかな変化」は15%だった。一方、トランプ氏が「大きな変化を示す」と答えた人は51%、「わずかな変化」は10%、「ほぼ同じ」は35%だった。

ハリス氏にとっての好材料は、有権者が未だ「流動的」な状態にあることだ。28%がハリス氏をより知る必要があると回答しており、タイムズは、「まだ多くの人に知られていない」ハリス氏にとって、10日の討論会は「リスクでもあり、潜在的な恩恵」にもなりうると指摘した。