トランプ裁判 不審なSNS投稿が有罪評決を無効にするかもしれない?

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トランプ氏の「不倫口止め料」裁判を担当するニューヨークのフアン・マーチャン判事は7日、トランプ氏の弁護士とマンハッタン検察の両方に宛てた書簡で、裁判所システムのFacebookページに投稿された1件のコメントに注意を促した。

それによると、コメントは評決が下る前日の5月29日にトランプ氏の裁判とは関係のない投稿に付けられた(現在すでに削除されている)もので、「わたしの従兄弟は陪審員で、トランプは有罪判決を受ける」と主張。「みなさんのハードワークに感謝します」と絵文字付きで投稿されていた。陪審員たちは、裁判の進行中は誰とも事件について話し合わないよう命じられている。

この翌日、トランプ氏は34の罪状すべてについて有罪評決を受けた

投稿者のアカウントおよび投稿の信頼性は定かではない。投稿主はマイケル・アンダーソンという名で、FOXニュースによると、アカウントのプロフィールで自らを「プロのシットポスター(インターネットで質の低い、無意味な投稿をするユーザーの意)」と紹介していた。

判事は、コメントがあったことを双方に通知するにとどめているが、同投稿のコメント欄には、他のユーザーから審理の無効を呼びかける声も挙がっている。

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裁判に与える影響は不明だが、コロラド州の法律事務所Mountain States Legal Foundationの弁護士、ウィリアム・トラックマン氏はFOXニュースの取材に「こうしたことが審理無効につながる」と説明。投稿が真実であれば「評決全体に疑問が投げかけられる」と述べた。

一方、FOXニュースのコントリビューターでジョージ・ワシントン大学ロースクールの教授、ジョナサン・ターリー氏は、「Facebookからブログは常にトロールやボット、明らかに狂った投稿者の攻撃にさらされている」とした上で、「投稿が陪審員の本物の証言である可能性は、この時代には比較的低い」と指摘。「投稿に関する最も基本的な調査も行われないうちに裁判所がした対応に驚いた」としつつ、投稿があったというだけで裁判所が「総動員を呼びかける」事態にはならないだろうと、公判への影響は小さいとの見方を示した。

なおトランプ陣営は、この件について調査を開始しているという。